2020年2月14日

西浅井にバーガーショップオープン!

若者らが鹿肉・お米でまちおこし

 西浅井町の若者6人でつくる地域活性化グループ「ONESLASH」(清水広行代表)は22日、「道の駅あぢかまの里」内にバーガーショップ「COMEDY BURGER(コメディー・バーガー)」をオープン。メンバーたちは「鹿肉や米など、地元の食材で長浜を盛り上げたい」と意気込んでいる。

 グループは近年、増え続けている獣害を逆手にとり、ジビエ料理が楽しめるイベント「西浅井ジビエ村」でまちおこしを展開。空きスペースになっていた道の駅内の販売ブースを借り、イベントで好評だったハンバーガーを販売することに。

 

 

 近江牛バーガー(800円)は近江牛100%、鹿肉バーガー(700円)は湖北で獲れた新鮮なシカ肉を使用したパテ。焼肉だれ風のオリジナルソースを絡ませ、シャキシャキレタスとともに、つるやパンが開発した専用バンズに挟んだ。

 これらの肉とメンバーが地元で育てたコシヒカリを使った近江牛ライスバーガー(700円)、鹿肉ライスバーガー(600円)も開発。お口直しのスイーツとして、季節の果物入りの自家製ジェラート(400円)も販売する予定。営業時間は午前9時から午後4時(3月以降は5時)、火曜定休。

2020年2月7日

郷土料理本「湖北の伝統食・地産食 決定版」を発行

肥田さんら、再発行望む声受け

 2007年に初版が発行され、再発行を望む声が根強かった郷土料理本「忘れぬうちに伝えたい湖北の伝統食・地産食 決定版」が湖北町食事文化研究会から発刊された。「小あゆの山椒煮」「焼きさばそうめん」「小豆ご飯」など地元の食材を使った料理104品を掲載し、研究会代表の肥田さん(80)=湖北町伊部=は「若い人にはこの本を台所に置いてもらい、時々でいいので故郷の料理を作って自分の子ども達に伝えて欲しい」と話している。

 料理本は肥田さんら旧湖北町の女性グループが古くから伝わる地域の味を学び、次世代に引き継ごうと、郷土料理のレシピをまとめて発行。人気のため11年にボリュームアップした増補版を出したが、半年ほどで完売。以来、「どうしても一冊欲しい」「再発行の計画はないのか」といった声が寄せられていた。昨春、肥田さんが黄綬褒章を受章したのを機に再発行の機運が高まり、再編集を進めてきた。

 決定版では、増補版に料理16品を追加し、従来のレシピについても作りやすいように見直した。肥田さんは「お米や大豆、琵琶湖の魚貝を中心とした料理を紹介している。台所に立つ若い人にも故郷の料理を伝えられれば」と話している。

 再発行にあたり、湖北伝統の食文化や暮らしの伝承に取り組む女性グループ「TSUNAGU」の野本育恵さん(58)=高橋町、川瀬順子さん(47)=神照町、川島典子さん(45)=同町=の3人が編集を担当した。3人は16年のグループ結成以来、肥田さんから郷土料理について教わっており、今回の決定版の編集にあたって、写真撮影や、レシピ、紹介文の見直しなどを担当した。

 川瀬さんは「料理本はちょっと聞きたいことを尋ねられるお母さんみたいな存在。この本でまずは郷土料理を作ってみて、自分や家族に合う味を見つけて欲しい」と呼びかけている。

 B5判変形、168ページ。オールカラー。2000部を発行。1650円(税込み)。肥田さん宅のほか、JR河毛駅売店、いわね書店、文泉堂、えきまちテラス長浜で販売している。問い合わせは肥田さん℡(78)0475へ。

2020年2月6日

長浜市に聖火ピンバッジ

コカ・コーラが千個寄贈

 コカ・コーラボトラーズジャパン(東京)は6日、2020年東京五輪聖火リレーの滋賀のゴール地となる長浜市に記念ピンバッジ1000個を贈った。

 バッジにはトーチと5色の聖火がデザインされ、「NAGAHAMA」と聖火リレーのある「2020・5・29」(5月29日)の日付が添えられている。

 

 

 この日は同社中部日本営業本部西部支社の勝浩二支社長ら5人が市役所を訪れ、藤井勇治市長にバッジを手渡した。勝支社長は「オリンピックは一生に一度の良い思い出になる。特に子ども達にスポーツの思い出となり、次のオリンピックを目指してもらえれば」と語り、藤井市長は「聖火リレーは市民が一番身近に感じられる五輪となる。バッジを配布して市民と一緒に五輪を盛り上げていきたい」と語った。

 なお、県内の聖火リレーは5月28、29日に行われる。28日はマキノピックランド(高島市)から出発し、県南部を中心に各市町をリレーした後、大津港業務用地(大津市)を目指す。29日は水口スポーツの森陸上競技場(甲賀市)を出発し、県中部・東北部の各市町を巡り、豊公園(長浜市)にゴールする。

 市はバッジを聖火リレーのボランティアや聖火ランナーと一緒に走るサポートランナーらに配布する。

 同社は長浜市のほか、近江八幡市、守山市、野洲市、日野町にもバッジを寄贈する。

2020年2月5日

川崎や、リニュアルオープン

支援金で修復、週末は記念イベント

 インターネットによる資金集め「クラウドファンディング」(クラファン)を活用して修復していた大宮町の多目的ハウス「川崎や」がリニュアルオープン。8、9の両日、記念イベントが開かれる。

 昭和後期まで、うどん屋として賑わっていた「川崎や」は空き店舗となり、その後、地元、商店街により、多目的イベントスペースに活用されていた。現在は「音楽と出会える場を」と私財を投じて清水眼鏡店の清水正伸さん(63)が管理している。

 ところが建物は老朽化や一昨年9月の台風21号の影響などで、東側の土壁が崩落。建物が密接する地域のため、予想以上の工事費用が必要となった。清水さんは昨年11月、資金70万円の提供を求め、クラファンを開始したところ、わずか1カ月半ほどで、目標額を大幅に上回る113万1500円(110人、161%)が集まり、ライブ会場に設けた募金箱にも22万円が寄せられた。

 支援金で損壊していた壁を修理したほか、音漏れする玄関のアコーディオンカーテンドアを二重ガラスの扉に変更。通り沿いの壁面にも防音壁を設けた。

 目標が達成でき、うどん屋由来の看板のマークもギターの絵柄にリメイクした清水さん。「僕以上に『川崎や』のことを大切に思ってくれている人がたくさんいた」と笑顔で語っていた。

 記念イベントは8日午後7時15分から、音楽デュオ「リーファ」のライブ(入場料一般2000円)。9日は女性5人による着物ファッションショー(カンパ制)。2月は毎週末、コンサートを開催するほか、今後、特別ゲストによるライブなども計画している。

2020年2月4日

ありがとうの手紙コンテスト、北村さんが最優秀賞

「大好きな弟へ」、ファミリーマートが募集

 コンビニチェーン「ファミリーマート」が小学生を対象に募集していた「ありがとうの手紙コンテスト」関西ブロック中学年の部で、最優秀作品に湯田小4年・北村千維さんの「大好きな弟へ」が選ばれた。

 コンテストは「ありがとう」の気持ちを考えることで、子どもたちの表現力や心の豊かさなどを育もうと開いており、今回で11回目。審査員長はジャーナリストの池上彰さん。2019年度は全国から4万0130通が寄せられ、関西ブロックの同部には約2800通の応募があった。

 北村さんの作品は県内唯一の最優秀賞。病気の弟への思いを誕生から現在までの出来事とともに丁寧に描いており、審査員からは「ともに成長していこうという決意と愛情が伝わってくる」と講評を受けた。

 湯田小で3日、表彰式が開かれ、北村さんは中川浩一校長から「人と人が言葉を交わし、ふれあう基本となるのは家族。この原点を大切にしたい」と称えられ「嬉しい。弟には元気でいてほしい」と感想を述べていた。

 北村さんの母・千秋さん(47)によると、弟・諒君(5)は1万人に1人という難病ヒルシュスプルング病(巨大結腸症)で、生まれつき小腸や大腸の神経がなく、排便がうまくできなかったり、栄養摂取が困難なため、手術や入退院を繰り返しているという。

 千維さんが諒君の排泄処理やトイレの清掃、食事の世話などをしており、諒君は「いずれは自分でできるよう頑張りたい。4月から一緒の学校に通うのが楽しみ。いつも僕のことを気にかけてくれていて嬉しい」と謝意を述べていた。

 なお、受賞者の名前を記載したポスターは全国約1万7000店に掲示されているほか、受賞作は店内放送で3月10日から16日まで流れる。

2020年2月1日

伝統の湖東焼、絵付けを体験

慶雲館で毎週水曜、入江さんが指導

 かつて彦根や長浜で生産された「湖東焼」の絵付けを体験できるワークショップが毎週水曜、慶雲館で開かれている。

 湖東焼は江戸時代中期から彦根藩の「藩窯」で生産された。青みを帯びたと、ち密で繊細な模様や画風が特徴で、明治期には長浜でも医師・西村善吾が自宅に窯を築いて生産した。明治中期に途絶えその技術が失われたが、1986年以降、彦根市の有志が復興に取り組んでいる。

 ワークショップは同市芹川町の絵付師・入江由紀子さん(34)が指導。入江さんは湖東焼を再興させた中川一志郎さんに師事し、彦根の「一志郎窯」を拠点に湖東焼の制作や普及に取り組む。

 ワークショップでは磁器の皿やマグカップに梅の絵などを描く。鉛筆で下書きしたうえで、筆を使って絵を仕上げる。あらかじめ転写できる下絵も準備しているので、初心者でもチャレンジしやすい。描き終わった作品は入江さんが持ち帰り、窯で焼いて後日、送付する。入江さんは「長浜にも縁のある湖東焼を、絵付けを通して知ってもらい、普段使用している絵皿がどのようにして作られているのかを体験してもらえれば」と話している。

 ワークショップは皿やマグカップに描く基本コース(午前10時、午後2時から2時間、5000円)と応用コース(午前10時から6時間、8000円)がある。いずれも慶雲館で開催中の長浜盆梅展の入館料込み。申し込みは「ハマダイ」のホームページから。定員に余裕があれば当日参加も受け付ける。3月4日まで(2月19日は休講)。

2020年1月30日

国際的な感染症に関心を 、長浜赤十字病院の金澤さん報告

麻しん流行のサモア独立国から帰国

 昨年12月、麻しん(はしか)の感染拡大で非常事態宣言を発令した南太平洋のサモア独立国に、長浜赤十字病院の社会課長・金澤豊さん(59)が国際緊急援助隊感染症対策チームの一員として派遣され、現地で患者の診療支援などにあたった。29日、同病院で活動報告会を開き、中国発の新型コロナウイルスの感染拡大を念頭に「国際的に感染症が問題となっている。感染症に関心を持って欲しい」と出席した病院職員に呼びかけた。

 サモア独立国では前年にワクチン接種の医療事故が発生したのを機に接種への恐怖心が高まり、幼児の接種率が31%と低迷。このため、昨年11月から麻しんが大流行し、政府が非常事態宣言を発令して予防接種を義務化。国際社会に支援を求めた。これを受けて日本政府は援助隊を派遣し、看護師である金澤さんも12月14日から29日にかけ医師や薬剤師と共に現地に入った。

 日本の援助隊は地方にある病院と保健センターの2カ所で治療とケアにあたった。現地での約10日間の活動で200人を診療し、うち42人が麻しん患者だった。金澤さんは「日本では感染防御のためマスクをするが、世界的にはマスクをあまりしない。日本人だけがマスクをすると異様に見えるため、地元の信頼を保つためマスクなしでやることもあった」などと、勝手の違う海外の実情を解説した。また、現地ではワクチンの管理体制が不十分だったことから講習会を開き、「ワクチン管理は日本でも大切なこと」と訴えた。

 金澤さんは「世界各国で麻しんが大流行している。撲滅宣言した国でも感染が広がる可能性が高い。我々も対策を講じる必要がある。皆さんも抗体があるか、もう一度の自分のデータを確認して欲しい」と病院職員に呼びかけていた。

2020年1月29日

木造空き家簡易鑑定士養成講習、43人が受講

木造空き家をシルバーが診断

 空き家の耐久性や問題点を調べる「木造空き家簡易鑑定士」の養成が長浜市内で進んでいる。シルバー人材センターの会員を中心に43人が講習を受講し、近く資格を取得する見込みだ。

 「柱の中に白アリがいるかどうかは外から見ては分からない。木槌で叩くと音で分かる」。28日、東上坂町の木造2階建て住宅で、全国古民家再生協会滋賀第一支部に所属する古民家鑑定士の中川明彦さん(47)が受講生23人を前に、柱を叩いて実演して見せた。

 この日の講習は午前中に座学で木造住宅の診断の基礎を学び、午後からは実際に空き家で体験した。受講生は部屋の間取りを方眼紙に書き取り、メジャーを使って寸法を記入してゆく。慣れない作業に何度も中川さんに尋ねる受講生の姿もあった。

 講習会は地域に住む高齢者の力を借りて空き家診断を進めようと全国古民家再生協会とシルバー人材センターがタッグを組んで各地で開催している。中川さんは「これから増え続ける空き家を、古民家鑑定士だけで診断しきれない。元気なシルバーの力を借りる必要がある」と語る。

 

活用か解体か20項目調査

 長浜市が昨年、自治会を対象に実施した調査では市内の空き家率(空き家数/世帯数)は5・7%。市は放置されている空き家110件を審査して、62件を危険性の高い「特定空き家」に認定。うち、29件が解体されるなど問題の解消はいくらか進んでいるが、空き家の総数は増加傾向にあり、放置された空き家が地域住民の悩みの種となっている。

 今後もますます増加が懸念される空き家。中川さんは「空き家の耐久性や安全性を診断することで、修繕・活用するのか、解体するのか、道筋をつけられる。その判断材料をシルバーの皆さんに調査していただくのが簡易鑑定士の仕事です」と説明する。

 木造空き家簡易鑑定では調査票に従って2人1組となって調査する。推定築年数、建物面積、建築構法、雨漏り、改修履歴、水まわり、など20項目にわたる。その他、部屋の間取りや寸法、用途などを記録する。それらのデータを基に一般社団法人住まい教育推進協会が鑑定書を発行する。

 長浜市内での講習会は昨年12月に定員20人で実施したところ募集と同時に枠が埋まり、受講できなかった市民のリクエストに応えて、この日、急きょ追加開催となった。受講生の1人、市内の男性(67)は「自治会の総会でも空き家で困っているとの声が出ている。地域の空き家を活用できるか、解体すべきかを見極める力を自分自身が身につけられれば」と話していた。

 全国古民家再生協会滋賀第一支部の大森敏昭支部長(63)は「今後、田舎ではどんどん空き家が増える。地域のことを良く知るシルバーの皆さんに、空き家問題を解決する仲介役になってもらいたい」と期待を込めている。なお、講習会は4月以降も米原市など県内3カ所で催す。

2020年1月27日

地域の文化財を守れ!長浜八幡宮で防火訓練

文化財防火デーにちなみ、放水など

 文化財防火デー(26日)にちなんだ消防訓練が25日、長浜八幡宮で行われ、長浜消防署や消防団、地元の神前東町自治会・自警団ら約40人が参加。万一の際の連携を確認していた(写真)。

 訓練は参拝者のたばこの火の不始末により境内の枯葉に着火し、風にあおられて本殿の軒下部分に飛び火したとの想定で行われた。

 長浜八幡宮の職員が水消火器で初期消火にあたった後、本殿から文化財を搬出。長浜消防署、消防団、神前東町自警団がそれぞれ放水し、消防署員は逃げ遅れた人の救助活動にも取り組んだ。

 訓練後の講評で、後藤智昭署長は「文化財建造物の多くは木造のため、火災が発生すると貴重な財産が一瞬にして失われる。文化財を火災から守り次の世代に伝えていくためには、文化財の所有者、地域、消防が一体となり火災を発生させない環境づくりが重要」と訴えた。

 太田浩司・長浜市学芸専門監は長浜八幡宮の建築物や文化財について解説したうえで「文化財防火デーを機会に、地元にどういった文化財があるのかということにも関心を持っていただければ」と話していた。

 文化財防火デーは、1949年1月26日に法隆寺の金堂壁画が失火により焼損したのを教訓に定められ、この日を前後して全国で文化財防火運動が行われている。