2023年1月18日

下八木営農組合が準グランプリ

「獺祭」向け酒米で、賞金1000万円

 日本を代表する日本酒「獺祭(だっさい)」を醸造する旭酒造(山口県岩国市)が酒米・山田錦の品質を競うコンテスト「最高を超える山田錦プロジェクト2022」を開催し、長浜市の下八木営農組合が準グランプリに輝いた。17日に東京で表彰式があり、賞金1000万円が贈られた。

 コンテストは4回目。グランプリに選ばれると旭酒造が市場価格の25倍にあたる1俵50万円で買い上げるとあって、同社と契約する酒米農家の目標ともなっている。

 今回は全国から90者の応募があった。最高級の獺祭は米の周囲を極限まで削り取って作られることから、米粒の中心を占める「心白(しんぱく)」が小さく中央に寄っているなど、どれほど精米に適しているかが審査基準となっている。

 最終選考には3県の8者が残り、この日の表彰式で結果が発表された。グランプリには熊本県の農事組合法人「水穂やまだ」が選ばれ、賞金3000万円が贈られた。

 準グランプリに輝いた下八木営農組合は組合員10人。2015年から転作作物として獺祭向けの山田錦に挑戦し、現在は4・6㌶で栽培している。組合長の沓水謙一さん(77)は「山田錦は水の管理、肥料、乾燥など手間がかかる。収穫時期もコシヒカリに比べて遅く台風の影響を受けやすい。これまでなかなか成果が上がらず苦労してきた」と振り返ったうえ、「準グランプリはこれまでの苦労が報われ励みになる。これからも栽培を頑張りたい」と話している。

 このほか、最終審査には川崎太門さん・由利子さん夫婦(富田町)、川瀬晴弘さん・さつきさん夫婦(錦織町)も残り、入賞した。長浜市産山田錦が高く評価された格好となった。

 長浜市内では米穀肥料商「落庄商店」(落合町)の呼びかけで2015年から獺祭向けの山田錦の栽培が始まった。水管理などに手間がかかり食用米に比べ収量が少ない反面、買い取り価格が高いのが魅力となっている。

 なお、前回のグランプリを獲得した山田錦で作った獺祭はニューヨークのオークションで720㍉㍑瓶1本が115万円の値段を付けるなど、海外でも注目されている。

2023年1月12日

ご当地お雑煮が大集合

21日、えきまちテラスでフェス

 各地の個性的な雑煮を集めた「全国お雑煮フェス」が21日、えきまちテラス長浜で開かれる。地域の食文化が色濃く反映されている雑煮を研究している粕谷浩子さんによるトークショーとお雑煮の販売がある。

 香川県出身の粕谷さんは転勤族の家庭に育ち幼少期から全国を転々としたことから、地域によってまったく異なる雑煮の種類の豊富さに興味を持ち、現在は「お雑煮研究家」として活動。移住を繰り返しながら地域に残る雑煮の発掘と記録、発信に取り組み、近年はレシピ本の出版、テレビ番組出演などで注目を集めている。昨春、長浜市内に移り住み西浅井町で雑煮用の餅米づくりなどに取り組んでいる。

 お雑煮フェスは、元長浜市地域おこし協力隊で企画デザイン業の山瀬鷹衡さんが企画した。粕谷さんを通じて雑煮の魅力の虜になり「この面白さをたくさんの人と共有したい」と準備を進めている。

 当日は、奈良の「きな粉雑煮」、香川の「あん餅雑煮」、富山の「赤巻ブリ雑煮」、福岡の「茶碗蒸し雑煮」、宮城の「ホヤ雑煮」の5種類を販売。午前11時から午後4時まで。食券は5枚つづりで前売り2000円、当日2500円。

 正午と午後2時から粕谷さんのトークショー、午前11時、午後1時から餅つき体験イベントがある。いずれも無料。

 山瀬さんは「お雑煮にしか使わない食材が地域には多数ある。その食材にとってはお雑煮が『最後の砦』となっている。お雑煮と地域の食材、文化の関係性、地域や家によってお雑煮が異なることを知ってもらいたい」と話している。詳細は山瀬さんが運営する「うるう」のホームページ(https://uruu229.com/)から確認できる。

2023年1月11日

長浜盆梅展、「波うさぎ」の切り絵も

慶雲館で開幕  早くも開花 館内に香り

 湖北の新春の風物詩「長浜盆梅展」(長浜観光協会主催)が8日、慶雲館で始まった。比較的暖かな日が続いていることから例年より開花が早まり、間もなく本格的な見ごろを迎える。

 盆梅展は旧浅井町高山の高山七蔵氏から盆梅を寄贈されたのをきっかけに1952年に始まり今年で72回目。同協会が管理する2000本の梅の中から300本を鉢植えにし、見ごろに合わせて入れ替えながら常時約90鉢を会場に並べている。

 慶雲館本館では、高山氏が寄贈した樹齢約250年の「昇龍梅」がすでに3分咲きとなるなど、多くの盆梅がつぼみを大きく膨らませ、ちらほらと開花。かすかな香りを館内に漂わせている。

 新館では米原市の切り絵作家・早川鉄兵さんの作品と盆梅を合わせて展示。今年は干支にちなんで縁起物の図柄として親しまれている「波うさぎ」をテーマとしている。波うさぎは謡曲「竹生島」に由来するとされ、同館では見事な枝ぶりの盆梅が波間を跳ねるウサギと共演している。

 入館料は大人800円、小中学生400円。午前9時から午後5時、3月12日まで。なお。今月28日から2月26日までの土日・祝日は午後8時まで開館し、ライトアップを行う。

 

2023年1月10日

「選択に責任」誓いを胸に

長浜市20歳のつどい、970人出席

 長浜市の「20歳のつどい」が8日、市内3会場で開かれ、今年度20歳を迎えた970人が晴れの門出を祝った。

 昨年4月の民法改正で成年年齢が18歳となったが、従来の通り20歳を対象として、「新成人のつどい」から「20歳のつどい」へと名称を改めた。旧長浜市出身者は長浜文芸会館で午前と午後に分け、旧東浅井郡は浅井文化ホール、旧伊香郡は木之本スティックホールで開いた。

 この日午前に長浜文芸会館で開かれたつどいには長浜西中、南中出身者ら257人が出席した。代表の大塚康平さん(20)=南中出身=と澤愛実さん(20)=西中出身=が「大学や専門学校で学ぶ人、仕事に毎日奮闘している人、目標に向かって努力している人など、進む道が異なっても、長浜での思い出を持っているという共通点で繋がっている」「未熟ではあるが、自分たちなりの選択をし、その選択に責任を持って行動したい」などと誓いの言葉を述べていた。

 浅見宣義市長は式辞で「長浜市は愛情を注ぐのに価値あるまち。このまちを愛してほしい」などと郷土愛を持ち続けることを訴え、松本長治議長は「感謝の気持ちを家族やお世話になった方に伝え、家族のように支え寄り添ってくれる友達を大切にしてほしい」と呼びかけていた。

 スーツや振袖など晴れ姿の出席者は旧友との再会を喜び、記念写真を一緒に撮ったり、近況を報告し合ったりして笑顔を見せていた。

 

土田龍空選手「勝負の年に」

 米原市が8日、ルッチプラザで開いた「二十歳のつどい」では同市出身でプロ野球中日ドラゴンズの土田龍空選手(20)が出席。式典後の記者会見で「開幕一軍を目指す」と抱負を述べた。

 旧友と一緒に会場を訪れた土田選手は「中学校の時以来に会う同級生もいて、懐かしく、うれしく思った」と喜びの表情を見せた。初詣には長浜八幡宮に参拝したことを明かし「おみくじでは大吉だった」「神様には1年間、がんばっていきますと祈願した」と話した。

 昨シーズンを「後半は試合に出してもらって、いい経験になった」と振り返り、「今年が勝負の年になる」と意気込みを語った。

 10日から自主トレを開始し「1年間、戦える体力作りが課題」とし、広島カープの菊池涼介選手と一緒にトレーニングを行うという。「二遊間のエラーは失点につながり、開幕一軍のためには守備の成長をアピールする必要がある。菊池選手と一緒に練習できることはとても幸せ」と述べた。

2023年1月5日

鉄道スクエア写真コンテスト

最優秀は「うらら うらら♪」

 長浜観光協会は「ふるさとの駅と鉄道」をテーマにした長浜鉄道スクエア鉄道写真コンテストの受賞者を発表した。

 コンテストは現存最古の駅舎である旧長浜駅舎(長浜鉄道スクエア内)を広くPRしようと2021年に初めて企画。2回目となる今回は全国から83点の応募があった。

 最優秀賞には東京都府中市の武藤英夫さんの作品「うらら うらら♪」を選んだ。千葉県夷隅(いすみ)郡大多喜町で、黄色い菜の花が広がる中を走るいすみ鉄道の列車をとらえた写真で、線路を横切る猫の登場もアクセントになっている。武藤さんはカメラを始めて6年。地元の写真クラブで「いろは」を学んだ。「今後の写真ライフの心強い励みになる」と喜びのコメントを寄せている。

 優秀賞に東海道新幹線の検査用車両ドクターイエローと鉄塔を写した寺尾幹男さん(草津市)の「幸せを運ぶ」、長浜鉄道スクエア賞に福岡県内を走る平成筑豊鉄道田川線の油須原駅の夕暮れを写した保永重治さん(彦根市)の「家路を急ぐ」を選んだ。このほかに入選27点。なお、入賞、入選作品計30点は11日から3月31日まで長浜鉄道スクエアで展示する。

最優秀賞・武藤英夫さんの「うらら うらら♪」

 

左上から時計回りに 優秀賞作品・寺尾幹男さんの「幸せを運ぶ」、保永重治さんの「家路を急ぐ」、以下入選作品・渡部円さんの「夕暮れの輝き」、小巻真司さんの「勇姿」、太田毅さんの「紅葉まっさかり特急飛騨号」、菅野哲郎さんの「秋旅」、田邊怜さんの「伊吹山を背に冬の訪れを知らせるラッセルがゆく」、中央 中川明子さんの「夏景色」

2022年12月28日

長浜八幡宮で迎春準備進む

巫女さん「家族そろって参拝して!」

 毎年多くの初詣客でにぎわう長浜八幡宮で、迎春準備が進んでいる。

 高校生や大学生を中心とする巫女奉仕者が参拝者に授与する破魔矢に来年の干支「卯」の絵馬を結び付けたり、お守りを袋詰めしたりと準備している。

 15万人の初詣客を見込む八幡宮では、正月三が日を巫女40人体制でもてなす。巫女奉仕者の金澤美土里さん(18)と植道奈々さん(19)は「新年が良い年となるように笑顔で迎えたい。家族そろって参拝してもらえれば」と話している。

 長浜八幡宮の年末年始の行事は次のとおり。

 【31日】▽午後3時、大祓式▽7時、除夜祭▽10時半、どんどに点火▽11時半、落語家・笑福亭仁昇さんとカウントダウン。

 【1日】午前0時、歳旦祭、新春縁起札入りちくわ撒き(0時、0時半の2回、計2000本)、生田流正派による琴の奉納演奏▽7時、神歌奉納▽9時、一心無双流居合道奉納、光粋流舞道による剣舞歌謡舞の奉納。

 【2日】午前9時、日供始祭。

 【3日】午前9時、元始祭。

神照寺、行事日程

 神照寺の年末年始の行事は次のとおり。

 【31日】午後11時、大かがり火点火▽11時半、除夜の鐘。

 【1日】午前0時、修正会▽9時、家内安全、厄除けなどの祈祷。

 【2日・3日】9時、家内安全、厄除けなどの祈祷。

 【15日】午前10時〜午後3時、焼納祭。

2022年12月21日

クリスマス、正月を前に

今が書き入れ時、湖北のイチゴ農家

 クリスマス、正月を間近に控え、湖北地域でイチゴの出荷が最盛期を迎えようとしている。

 湖北では生産・販売の近代化や経営の向上、所得の安定を目指し、2012年、湖北苺出荷協議会が発足。湖北農業農村振興事務所農産普及課によると近年、新規就農者が増えており、12月現在、40軒が総面積約3・8平方㍍で栽培。「こほくいちご」のブランド名で地元市場や道の駅などに出荷している。

 また、県はオリジナル高級イチゴ「みおしずく」を開発。今年は試験販売だが、次年度以降、湖北の農家にも栽培してもらい、ブランドの確立を目指している。

 同課は「農家は今が書き入れ時。イチゴは順調に生育している。今年は資材の高騰などにより、販売価格が圧迫され、厳しい環境下にある」としている。

「春っぽい味」TPF自販機増設へ

 常喜町の田中パイロットファーム(TPF)では5年前からイチゴを栽培。毎年、この時期は収穫、出荷に追われる。

 同社は水稲やタマネギ、ブロッコリーなどを栽培する大規模農業法人。素人だった田中祥子さん(37)は「イチゴを作るってかわいくない?」と周りに勧められ、気軽に栽培を始めた。

 ところが、毎年、天候が異なり、思うように育たず、試行錯誤の末、何とか安定生産できるように。2年前から面積を増やし、今は約410平方㍍、3棟のビニールハウスで3種を減農薬で栽培している。

 「章姫」は甘くて柔らかい果肉、「紅ほっぺ」は味が濃厚で独特の芳香がある。両方の特長を持つ「よつぼし」は今の時期「春っぽい味」(田中さん)がするという。

 イチゴ栽培は田中さんがほぼ1人で切り盛りしているため、観光農園や対面販売を行わず、自販機販売のみ。リピーターも多く、近く自販機2台を増設する予定。また、JAを介して「苺の話」というブランド名で大津、京都の市場にも出荷している。

 自販機販売は午前9時から午後10時ごろまで。1パック250㌘入り700円(税込み)。田中さんは「パックや箱など包装資材が高騰しているが、価格は据え置き。朝どりなので新鮮」と話している。問い合わせは田中さん℡080(1433)7940へ。

2022年12月15日

遊休農地で金ゴマ栽培

余呉の中村さん、貴少な高級食材

 余呉町椿坂の中村正実さん(65)は地元の遊休農地を活用し、高級食材の金ゴマを栽培。年を追うごとに生産量を増やしており、注目を浴びている。

 中村さんは6年前、石川県の鉄工所から委託され、新規参入するゴマ栽培の従事者として余呉にやって来た。当初、4社が参加していたが、うち3社がわずか3カ月ほどで撤退。中村さん1人が余呉に残り、椿坂で黒ゴマの栽培を続けた。

 ところが、鹿の食害に遭い、全滅。耕作地を町内の平地に移し、電柵を施すなどし、根気よく、黒ゴマを栽培し、三重県四日市市のゴマ総合メーカーに出荷していた。すると3年前、同社から「金ゴマを作ってほしい」と依頼があった。

 金ゴマは栽培が難しいが、香りがよく、ぷっくらとしていて、商品価値が高い。国内生産はごくわずかで、高級食材として人気があり、中村さんはこれまでの経験を生かし、金ゴマの無農薬栽培に挑戦した。

 種まきと収穫以外、すべて1人でこなし、中之郷、下余呉、今市、東野などの遊休農地、耕作放棄地で徐々に栽培面積を拡大。今年は約4・5㌶にまで増やし、約700㌔を出荷した。メーカーによると1人あたりの出荷量、耕作面積とも全国トップクラスだという。

 中村さんは「休耕地を利用し、来年はさらに栽培面積を増やし、将来的には6次産業化も目指したい」と話している。

2022年12月14日

長期滞在できる宿泊施設を

研究者、学生向けに町屋を改修

 「長浜に研究者や学生が長期滞在できるゲストハウスを」—地元のまちづくりに関わる活動をしている中山郁英さん(36)=木之本町木之本=は朝日町の町屋を改修し、ゲストハウスにするプロジェクトを進めている。

 中山さんはデザインセンター「長浜カイコー」の企画運営、伊香高校の地域連携コーディネートに関わるほか、木之本で喫茶店を経営するなど幅広い活動を展開。その中で大学生や研究者と関わりを持ち、「安く、長く滞在できる場所を造れば、にぎわいが創出できる」と思うようになった。

 場所を試案する中、白羽の矢が立ったのは空き家となっていた祖母の家「吉田邸」。明治時代に建てられた木造2階建て約200平方㍍の古民家で、祖母は4年前から父母のいる実家に移り住み、空き家となっていた。

 改修に際して、表通りに面した土間は吹き抜けのスペースとし、研究発表や展示などができるようにし、その奥に交流スペースを設ける。宿泊ができる客室は2室。最大8人を収容できる。すでに着工しており、4月のオープンを目指している。

 市の助成を受け、総事業費は約1800万円。資材の高騰などで当初の予算から膨れ上がってしまったため、クラウドファンディングで資金を調達することに。150万円を目標に来年1月31日まで募集している。

 中山さんは「長浜を目がけてくる若者を増やし、人や町をより元気にするきっかけとなれば」と話している。クラファンの詳細は「レディフォー」(https://readyfor.jp/projects/residence-for-researchers)を参照。

2022年12月14日

今こそ、つながる みんなの輪

さざなみタウンにイルミネーション

 さざなみタウンの交流広場に鮮やかなイルミネーションがお目見えし、撮影スポットになっている。

 イルミは10月から来年3月まで開いている「長浜まちなかフェスタ」の一環で、地域づくり連合会や施設に入所する図書館、長浜商議所の職員らでつくる実行委員会のメンバーが飾った。

 イルミは2回目の開催でテーマは「今こそ つながる 深める みんなの輪」。高さ約3㍍のピンクのツリーを建て、施設の壁には赤と緑で「まちなかフェスタ」と描き、生垣にはさざなみをイメージしたブルーの電飾を施した。

 点灯し始めると親子連れやカップルらがカメラを手に集まっており、委員会では「コロナ禍でみんなが一緒に集まりにくい中、『今こそ、つながりを』という思いを込めた」と話している。午後5時から9時半ごろ、来年1月29日まで点灯している。

「こほくのイルミ」10回目

 イルミネーションイベント「こほくイルミの広場」が長浜市役所湖北支所西公園(速水)で始まり、子ども連れの家族らで賑わっている。

 電飾はこほく地域づくり協議会(松山久夫理事長)の役員15人の手作り。約80体、7万球を公園内に設置し、午後5時から9時、来年1月9日まで点灯している。省エネルギーや環境に配慮し、すべてLEDランプに変更。太陽光発電による売電益で電気代を賄っている。

 今年のテーマは「向こう三軒両どなり」。近所同士のつきあいを大切にしてほしい、との願いを込め、幅5・4㍍、高さ90㌢の電飾でPRしている。

 このほか、ネコバスなどアニメの人気キャラクターやクマなどの動物をかたどった電飾、メインツリーや光のトンネルなども飾っている。

 松山理事長は「コロナでイベントなどの中止が相次いでいる。この雰囲気を何とか打破しようと、役員が団結して灯した」と話している。観覧無料。

2022年12月12日

故郷の古民家 価値を後世に

谷口さん、米原市大久保で3軒をリノベーション

 伊吹山の麓、米原市大久保の集落に古民家を改修した宿泊施設など3軒がオープンした。「価値がない」として古民家が解体されている現状を憂えた同所出身で東京在住の谷口諒さん(32)が、コロナ禍を機に注目されているマイクロツーリズムやワーケーションの受け皿にしようとリノベーション。「古民家の価値を後世に伝えるとともに、田舎を元気にしたい」と故郷を見つめている。

 宿泊施設は広々とした土間が魅力の「けいた」、集落の高台にあり山麓の景色を満喫できる「大門坂荘」の2軒。いずれも築約120年、平屋建て約120平方㍍。古民家の構造、残された家具、道具をなるべく生かした内装となっている。いずれも一棟貸しで、けいたは最大8人、大門坂荘は9人で利用できる。また、築約90年の「うたきち」はカフェやギャラリーなどとして活用する方針で、正式オープンはまだ先になるという。

 谷口さんが故郷の古民家に注目したのは新型コロナウイルス感染拡大に伴う移動制限がきっかけ。自然散策などを近場で楽しむマイクロツーリズムの需用の高まりを感じたが、その受け皿となる宿泊施設が田舎に少ないことに着目した。

 「何もない田舎を早く出たかった」と高校卒業後に故郷を離れたものの、今は「山や川があり、冬は雪もある。素敵なところです」と故郷の魅力を実感している。ただ、空き家が増え続け解体される現状に「価値のあるものが捨てられるのは悲しい。きれいにして後世に伝えたい」と、同所でそば店「久次郎」を営む父・隆一さん(66)に空き家となっている集落内の古民家を探してもらい、改修した。

 「古民家のリノベーションのニーズは多いが、やり方が分からなくて踏み切れない人がいる。ここに宿泊し、自分たちにも古民家を改修できるのでは、と思ってもらえれば」。宿泊を通して古民家をリノベーションする仲間が増え、田舎に残る伝統的家屋が後世に継承されることを願っている。

 なお、宿泊施設は民泊サイト「Airbnb(https://www.airbnb.jp/)」で紹介している。

2022年11月30日

ミード、梅酒、ビール 蜂蜜のお酒、3種完成

バイオ大と酒造会社が連携  12月販売

 長浜バイオ大や湖北・湖東地域の酒造会社など5者がタッグを組んで開発を進めていた「蜂蜜のお酒」3種類が完成し、12月から販売が始まる。

 蜂蜜のお酒の開発に取り組んできたのは長浜バイオ大のほか、安土養蜂園(近江八幡市)、佐藤酒造(長浜市榎木町)、岡村本家(豊郷町)、彦根麦酒(彦根市)の計5者。湖北・湖東地域の産業活性化を目指した産官学連携事業で、酒造会社と酵母の共同研究を行ってきた長浜バイオ大の向由起夫教授が米国で注目を集めている「ミード」(蜂蜜を発酵させて造る醸造酒)に目を付け、参加を呼びかけた。今年3月に5者で「米長滋彦(よねながしげひこ)の蜂蜜会」を結成して、それぞれが安土養蜂園の蜂蜜を使って開発を進めてきた。

 佐藤酒造のミード「蜂蜜とリンゴのお酒  KOHAMA  HONEY」(375㍉㍑、2090円)は蜂蜜由来の濃密な口当たりと地元産の和リンゴの清々しい酸味が調和した味わいで、「やや甘めなので、食後に大人のデザート感覚で楽しんで」と佐藤硬史社長(48)。

 岡村本家の「金亀はちみつ梅酒」(300㍉㍑、1100円)は氷砂糖の代わりに蜂蜜を使い、梅の香りと蜂蜜味を感じられる。彦根麦酒のビール「ハニーエール」(330㍉㍑、880円)は麦汁に蜂蜜を加え、ほのかに赤リンゴが香るフルーティーなエールに仕上がっている。

 米長滋彦の蜂蜜会は完成を記念して、12月10日午前10時からビバシティ彦根1階の食品フロアで販売会を実施する。3本セットの購入者にはバイオ大学生が作成したオリジナルの「甚吉袋」(酒を持ち返るための丈夫な袋)をプレゼントする。

 なお、それぞれのお酒の販売に関しては各酒造会社に問い合わせを。

2022年11月29日

長浜チーム、全国ベスト16

ねんりんピックのゲートボール交流大会

 神奈川県内を舞台に開催された60歳以上を中心とするスポーツ・文化の祭典「ねんりんピック」(全国福祉祭)のゲートボール交流大会で、長浜チームがベスト16に入賞した。

 長浜チームは東上坂町・小山巌さん(78)、高橋町・武田正さん(73)、春近町・八木博さん(76)、大戌亥町・西村まき子さん(76)、同・中川ひとみさん(73)の5人。日ごろは長浜サンドーム(宮司町)などで一緒に練習する機会が多いが、チームを組むのは初めて。5月の県北部予選で優勝し、滋賀代表としてねんりんピックへ出場した。

 大会は今月12日から14日まで藤沢市の県立スポーツセンターで開かれ、各都道府県予選を勝ち抜いた約130チームが出場。長浜チームは4チームによる予選リーグを3戦全勝で突破し、決勝トーナメントでは3回戦で宮城県代表に敗れ、ベスト16となった。

 5人は「全国は強豪ぞろいなので予選で1勝するのがやっとと思っていた。大会を通してあらためてチームプレーの楽しさを知った。仲良くプレーできたからベスト16に入れたのかも。もっとゲートボールの人気が高まって欲しい」と話していた。