47年ぶり 滋賀で全国植樹祭

森林を育み 次の世代へ

 第72回全国植樹祭が5日、甲賀市の「鹿深夢の森」を主会場に県内10カ所で開かれた。「木を植えよう びわ湖も緑のしずくから」をテーマに国土緑化推進機構と県が主催し、滋賀での開催は47年ぶりとなった。

 全国植樹祭は森林や緑への理解を深めるため毎年開催している。天皇、皇后両陛下は昨年の島根県での開催に続いて、皇居・御所からオンラインで出席された。記念式典で天皇陛下は「健全な森林を育み、木々を木材として循環利用しながら、次の世代、またその次の世代へと引き継いでいくことは、私たちの果たすべき大切な使命」などと述べられた。その後の「お手植え」では、天皇陛下がスギやトチノキなど、皇后さまがヒノキやイロハモミジなどの苗木を木箱に植えられ、「お手播き」としてクロマツやウツクシマツなどの種子をまかれた。木箱は後日、鹿深夢の森に送られ、植え直される。

 緑化功労者の表彰や活動紹介、記念植樹などもあった。

林業体験や演奏会に7千人 サテライト会場のえきまちテラス

 サテライト会場のえきまちテラス長浜では大型モニターで式典のようすが生中継された。ノコギリを使った林業体験やアスレチック、まちなか森ツアーのほか、マルシェ、吹奏楽の演奏、SNSで人気を集めるユーチューバーのよみぃさんによるピアノ披露などがあり、家族連れなどが思い思いに楽しみながら、木に親しんでいた。

 この日はキャンプ道具などの製作・販売を手掛けるクリエイター集団のギャラリーがえきまちテラス長浜1階にオープン。全国からキャンプ愛好家が集ったこともあり、会場は約7000人の人出でにぎわった。

きゃんせの森 70本植樹

 1975年の全国植樹祭のお手播き会場となった米原市夫馬のきゃんせの森では市民が参加して記念植樹があり、ヤマザクラ、コナラ、クロマツ約70本を家族らが植えた。

 会場では県や市の職員、滋賀北部森林組合の組合員らが来場者を出迎え、植樹を手伝った。植樹は2018年に竜巻の直撃で多くの木々が被害を受けた森の一角0・5㌶で実施。同市朝日から家族や親族と参加した岸縄律君(7)はクロマツを植え「大きくなるのが楽しみ」、父の隆太さん(31)は「子どもが大きくなったら一緒に見に来たい」と話していた。

掲載日: 2022年06月06日