万作・萬斎・裕基の三世代、長栄座で共演
県立芸術劇場びわ湖ホールで長年親しまれている「野村万作・野村萬斎狂言公演」が7月30、31の両日、米原市の県立文産会館イベントホール内特設舞台「長栄座」で開かれる。びわ湖ホールの大規模改修工事に伴う休館期間中の開催で、人気公演が湖北地域へ舞台を移す。
1998年開館のびわ湖ホールは施設や設備の老朽化に対応するため、今年7月から2028年2月末まで全館休館して大規模改修工事を実施する予定。今回の公演は休館中の事業として、県立文産会館が毎夏開く「長栄座」夏のフェスティバル2026の一環で実施される。
「野村万作・萬斎狂言公演」は、びわ湖ホール開館翌年の1999年度から続く人気シリーズ。新型コロナウイルスの影響で中止となった年度を除き毎年開催されており、出演者は野村万作さん、野村萬斎さんを中心とする狂言界を代表する顔ぶれが務めてきた。
今回は琵琶湖北部に浮かぶ竹生島にちなみ、「竹生島」づくしの演目を上演する。主人に無断で竹生島参りに出かけた召使いが言葉遊びで主人の機嫌を取ろうとする「竹生嶋参」、竹生島弁財天の由来を伝える「竹生島道者」のほか、「樋の酒」を披露する。
公演は両日とも午後2時開演。出演は万作さん、萬斎さんに加え、野村裕基さんら。びわ湖ホールは「親子三世代の共演も見逃せない」としている。
全席指定で一般4400円、24歳以下2200円、シアターメイツ1100円。
チケットはびわ湖ホールチケットセンター、文産会館、イープラス、チケットぴあ、ローソンチケットで発売中。問い合わせはびわ湖ホールチケットセンター(☎077・523・7136)。
竹生島題材の狂言2作
「竹生嶋参」は、主人に無断で竹生島参りに出掛けた召使いの太郎冠者が主人に見つかり、参拝の様子を語る物語。辰や犬、猿、蛙、蛇にまつわるを次々と披露しながら主人の機嫌を取ろうとする。言葉遊びによる素朴な笑いが魅力の作品。
「竹生島道者」は、竹生島弁財天に仕える社人のもとへ参詣の夫婦が訪れ、島や弁財天の由来について話を聞く物語。能「竹生島」の替間として演じられる場面を独立して上演する特別版で、狂言作品としては上演機会が少ないという。
「樋の酒」は、主人の留守中に米蔵と酒蔵の番を命じられた太郎冠者と次郎冠者が、樋を使って酒を流しながら酒宴を繰り広げる物語。能舞台の構造を巧みに生かした演出や、酒宴の場面で披露される狂言小舞の数々も見どころとなっている。
びわ湖ホールは「狂言のせりふは古語で語られるが、当日配布するプログラムにあらすじや語句解説を掲載するほか、上演前には野村萬斎さんによる解説も予定している。初めて狂言に触れる人にも楽しんでもらえる内容」としている。