黒壁ガラス館 改修完了

築121年、まちのシンボル  27日オープン

 開館以来初めてとなる大掛かりな改修工事が行われていた黒壁ガラス館のリニューアルオープン(27日)を前に、26日、竣工式と内覧会が行われた。

 黒壁ガラス館は1989年にオープンし、96年には国の登録有形文化財に登録された。開館以来、小さな改修工事は行ってきたが、老朽化が著しいため昨年11月24日から休館し、耐震補強、壁の塗り直し、屋根の葺き替え工事などを行ってきた。

 竣工式は関係者約30人が出席して行われ、進晴彦社長は「黒壁ガラス館は1900年築の建物で、121歳になる。新しく生まれ変わり、次の100年、このまちを支えるシンボルとなってゆく」「このまちに流れる歴史、お祭り、宗教、食の文化を黒壁らしく拾い集め、発信したい」とあいさつし、黒壁創設メンバーの1人で会長の高橋政之氏は「長浜のまちと黒壁スクエアを観光客に楽しんでいただけるよう関係者一同頑張っていきたい」と決意を語っていた。

 テープカットの後に行われた内覧会では、世界で初めて作られたガラスのバイオリンとチェロによる音楽会があり、「アメージング・グレース」や「琵琶湖の周航の歌」などが披露された。

 なお、リニューアルオープンのキャンペーンとして、4月25日までの土曜、日曜は入館者全員に、ガラス製品や特産品などが当たるおみくじ付きクッキーをプレゼントする。

 黒壁ガラス館は1900年(明治33)に第百三十国立銀行長浜支店として開設。土蔵造りの木造建築で黒漆喰の壁だったことから、市民から「黒壁銀行」の愛称で親しまれた。バブル期に売却・解体の危機にあったのを市民有志が保存・活用を目指して第3セクター「黒壁」を設立して建物を買い取り、黒壁ガラス館として1989年にオープンさせた。以来、市街地の中核施設として観光誘客を支え、昨年1月には黒壁スクエアへの「来街者」が5000万人を突破していた。コロナ禍に伴って市街地を訪れる観光客が減少していたことから、事業費約9000万円をかけ長年の課題だった耐震化工事に踏み切った。

掲載日: 2021年03月26日