高番の米 ブランド化目指す

「おかるばあさんのコシヒカリ」地元の伝説にちなんで命名

 米原市高番の農事組合法人エコファーム高番が地元産米を「おかるばあさんのコシヒカリ」と命名し、ブランド化を目指している。

 エコファーム高番は組合員54人。高番地区の田んぼ約30㌶のうち約20㌶でコシヒカリを栽培している。同法人によると、伊吹山の雪解け水にはミネラルが豊富に含まれ、土壌も良質なため、おいしい米が育つという。一方で、米の作り手の後継者不在の課題があるため「高番のコシヒカリを後世にもつなげる必要がある」との思いからブランド化を企画した。

 商品名のおかるばあさんは大昔に高番に住んでいたという伝説の人物。蚕を荒らすネズミに困っていた村のために、おかるばあさんがお堂に祀られている神様に祈り、周囲の丸石を持ち帰って蚕のそばに置いたところ、ネズミが来なくなったという言い伝えが残る。現在、地元の千福神社の近くには「おかるばあさんの祠(ほこら)」が建っている。

 同法人は現在、米袋のデザインに取り組んでおり、8月に完成予定。10月に「おかるばあさんのコシヒカリ」の5㌔と10㌔を、インターネットを中心に販売する。

 同法人代表の畑中満さん(61)は「高番のコシヒカリは近江米の中でも高く評価されている。伊吹山の伏流水で育った自慢の米を多くの人に食べてほしい。ブランド化することで、私も作りたいと思う後継者が出てきてくれたらうれしい」と話していた。

 なお、同法人は米袋の製作に向け、デザイン費や印刷代などをクラウドファンディングで募っている。目標額30万円。8月5日まで。リターン品はおかるばあさんのコシヒカリ、稲刈り体験、ポストカード。詳細は「キャンプファイヤー」のサイトで(https://bit.ly/3NbBmIo)。

掲載日: 2022年06月13日