農舎改修し、多目的カフェ

ヨコタ農園  支援の恩返しで「みんなの居場所」作り

 被災やコロナ禍などの試練を仲間たちの支援によって乗り越えてきた高月町馬上のヨコタ農園。農舎を改装した多目的農園カフェで「みんなの居場所」作りを目指している。

 農園は横田圭弘さん、尚美さん、一仁さんの家族3人を中心に2000年から水稲や麦、大豆、イチゴやブロッコリーなどを栽培。ジャムや漬け物などの加工品を製造、販売している。

 イチゴの観光農園もしており、摘み取り体験や収穫感謝祭のほか、飲食マルシェやライブなどを開催していた。ところが2018年の台風21号でビニールハウス9棟が全半壊、農作業場の一部も壊れるなど大きな被害を受けた。

 横田さんらが途方に暮れていたところ、被害を知った人たちが復旧作業を手伝い、応援してくれた。昨夏には復旧し「さあ、これから」という時にコロナ禍。またも近所の人や知人らの支援により、助けられた。

 横田さんはこれまでの恩を返そうと、既存の木造の農作業場をリフォームし、多目的に使えるカフェの開設を考えた。農作業場は大工だった父・睦さん(83)が現役最後の仕事として建てたもの。合掌造りの軸組みを生かし、延べ98平方㍍に喫茶のほか、レンタルスペースを設け、音楽ライブや講座、展示などイベントができるようにする。プレオープンは11月、グランドオープンは12月を予定している。

 同農園ではカフェ開設にあたり、厨房、音響、プロジェクターの設備費と装飾・コロナ感染防止対策費をクラウドファンディングで募集する。

 横田さんは「みんなに多く来ていただき、喜んで帰ってもらえるような場にしたい」と話している。なお、返礼品はイチゴ詰め合わせ、米、加工品やイチゴ・ブロッコリー狩り体験、イベント招待券など。目標額は100万円。期限は10月22日。詳細はサイト「キャンプファイヤー(https://bit.ly/3DlvEjg)」参照。

掲載日: 2021年08月23日