貴重な文化財、火災から守れ!

八木浜町の重文・中村家住宅で放水訓練など

 「文化財防火デー」(26日)を前に、湖北地域で地域住民も参加して文化財防火訓練が行われた。

 文化財防火デーは1949年1月26日に法隆寺金堂から出火し壁画が焼損したのを教訓に1955年に定められ、この日を前後して各地で文化財防火運動が展開されている。

 国の重要文化財に指定されている八木浜町の「中村家住宅」では22日、訓練があり、長浜消防署東浅井分署、消防団、自治会、市関係者ら約40人が参加した。

 訓練は焚き火の火の粉が風にあおられて敷地内に燃え移ったとの想定で行われ、所有者の中村壽夫さんが住民に火事を知らせるとともに119番通報。住民は水消火器を使って初期消火訓練に取り組んだ。消防署員と消防団員が計3本のホースを使って放水。きびきびとした動きで連携を確認していた。訓練後、菅井康之分署長は「湖北地域には多くの文化財が残され、各地域で順番に訓練している。備えあれば、憂いなし。災害への対応をお願いします」とあいさつしていた。

 中村家住宅は18世紀中期の代官屋敷の姿を今に残し、ヨシ葺きの主屋をはじめ、土蔵、馬屋、表門の4棟が2018年に国の重要文化財に指定された。

掲載日: 2023年01月23日