課題の空き店舗に黒いサンド専門店

商店街の回遊性向上と活性化に期待

 長浜大手門通り商店街の東側突き当たりという好立地に位置しながら、長年、シャッターが降りたままになっていた大宮町の空き店舗に11日、黒いサンドイッチの専門店「長浜黒サンド」がオープンした。

 空き店舗は大手門通りと大通寺門前の表参道の交差する三叉路にあり、黒壁スクエアから大手門通りを東へ歩くと真正面に位置する。長年、シャッターを降ろしたままで、観光客の回遊性を阻害しているとして、地元から店舗の活用を望む声が出ていた。

 後継者不足や集客性の課題から市街地で空き店舗が増えていることを受け、長浜市、長浜商工会議所、長浜まちづくりの3者が連携して空き店舗を活用する事業者を公募。工事費や家賃の一部を補助するメニューを設けて事業者を募ったところ、個人や企業など4者から応募があり、市内で飲食店「焼肉ダイニング和SABI」「しゃぶしゃぶすきやき梅ごこち」「ビリオン珈琲」などを展開するSTフーズプロジェクト(高田伸介社長、山階町)の提案する黒いサンドイッチ専門店を選んだ。

 同社は関ヶ原町で黒いサンドイッチ専門店「関ヶ原サンド」を展開しており、空き店舗跡に出店した「長浜黒サンド」も同様のコンセプト。サンドイッチはパウダー状の竹炭を生地に練り込んで焼き上げた黒い食パンに、とんかつやサラダチキンなどの総菜を挟んでいる。とんかつサンドは「信長」、海老かつサンドは「官兵衛」など、商品名は戦国武将の名前を引用している。また、白い食パンでフルーツを挟んだデザートパンはフルーツミックスの「お市の方」、チョコバナナの「お初」など戦国時代の姫をテーマとしている。

 黒壁スクエアから東に向かう観光客の視認性が高まるようにと目立つ看板を設置。同店の統括マネージャー堀江聡彰(あきふみ)さん(55)は「アーケードに直面する一番良い場所に店を置かせていただいた。動線を確保するためにも、あえて看板を大きくした」と語る。観光客が黒壁スクエアから同店まで足を運べば大通寺の山門が目に入る。堀江さんは「回遊性を高めることで商店街の活性化に微力ながら協力できれば」と話している。

 市商工振興課は「大手門通りの正面の目立つ場所にありながら、10年以上シャッターが閉まっていた。新しい店が客を呼び込み、回遊性が高まることによって、黒壁周辺だけでなく商店街全体に賑わいが生まれれば」と期待を込める。

 昨年12月の市の調査によると中心市街地の約250店舗のうち27店が空き店舗で、コロナ前と比べ5店舗増えている。市商工振興課は今後、補助金制度を創設するなどして空き店舗の解消を図りたい考え。

 なお、長浜黒サンドの営業時間は午前11時から午後5時まで(完売次第終了)。定休日は未定。

掲載日: 2022年01月12日