紅花で「まち」咲かせます

丸子船ゆかりの西浅井で地域おこし

 江戸時代、琵琶湖で活躍した丸子船の港があった西浅井で、輸送されていた紅花を使ったまちおこしが始まった。

 大浦、塩津から大津まで運行されていた丸子船は、米のほか、最上紅花や漆器、魚介類や反物が主な運搬品だった。最上紅花は山形県が産地で、西陣織の染料や化粧用の紅、血行を良くする生薬として利用でき、質の良さから高価な商品として扱われていた。

 酒田港から敦賀を経由し、京都、大阪まで大量に運ばれていたが安価な染料の輸入や化学染料の台頭により、生産量が激減。山形県では日本遺産として、保存・継承が進められている。

 一般社団法人「日本紅全国紅花協議会」の事務局・深川正達さんが昨秋、紅花輸送ルートをたどり、「北淡海・丸子船の館」を訪れた際、山形県出身の同館スタッフ・近持眞奈美さんに作品作りや食材など、さまざまな用途に活用できる紅花による、まちおこしを提案した。

 西浅井まちづくり地区地域づくり協議会の委員でもある近持さんは、メンバーたちに紅花の歴史や魅力を紹介。山形から譲り受けた最上紅花の種を利用し、まちおこしを図ることになった。

 休耕田約5㌃に種を撒き、試験栽培。収穫した花を用い、今夏、「お花畑大作戦」と銘打ち、住民らに紅花の活用法などを紹介。今月10日には「水の駅まつり」で紅花のハーバリウム、リース作り体験を行う。

 今後、栽培面積を拡大する予定で、新たな活用法を模索中。近持さんは「あまり知られていない紅花の魅力を知ってもらえれば」と話している。

 なお、水の駅まつり体験教室の問い合わせは西浅井総合サービス℡(89)0281へ。

掲載日: 2019年11月06日