築85年 元浜町のカフェ跡に18日開店

香港飲茶店「商店街に賑わいを」

 元浜町の「カフェ&パブ・ロンドン」跡に18日、香港飲茶を提供するレストラン「萬華郷」がオープンする。関東地方で中華レストランの経営や弁当・総菜の製造販売、人材派遣業を行う「菊華」(神奈川県藤沢市、張超社長)の関西初進出の店舗で、張社長は「長浜の商店街は空き店舗が多く、このままでは沈んでしまう。夜9時まで営業して商店街に賑わいをもたらしたい」と話している。

 建物は昭和10年に貴金属を扱う「ヤモリ天照堂」の店舗として3階建てで建設された。モダンなデザインで長らくゆう壱番街商店街のシンボルの一つとなっている。建物をそのままにレコード店、地酒やガラス酒器を扱う「黒壁26號館ラフェル」、アンティーク家具店などと変遷し、観光客や市民が集う場所として親しまれてきた「カフェ&パブ・ロンドン」は今年3月末で閉店していた。

 新しい店舗は内装を一新して厨房などを設け、東側の壁一面に琵琶湖の風景を描いた。外観はデザインをそのままに色彩を変更した。メニューは麻婆豆腐や酢豚、炒飯、担々麺などの定番料理をはじめ、小籠包や焼売、春巻、餃子を揃える。横浜中華街の有名店「四五六菜館」で料理長を務めた鄭光明さんらが腕を振るう。配膳ロボットも配備する。営業時間は午前11時から午後9時まで。

 長浜港で水陸両用バスを運行するティアンドティ・コーポレーション(長浜市細江町)の川崎隆弘社長が交際交流事業で張社長と知り合ったのが縁で長浜に誘致。両社が共同で店舗の運営にあたる。

 張社長は「新型コロナの影響で閉店する店も多いが、こういう時期こそ地域を発展させるチャンス。関西進出の足掛かりとし、インバウンドなどで黒壁スクエアを盛り上げてゆきたい」と話し、今後、地域住民を招いた料理教室なども企画したいとしている。

掲載日: 2020年10月15日