琵琶湖畔をアウトドアの聖地に

長浜市が市街地活性化の新ビジョン

 琵琶湖畔がアウトドアの聖地となり、子ども向けのサマースクールが人気を集める。市街地では空き家を改修した暮らしがブームとなり、起業やリモートワークの活気にあふれ、長浜曳山まつり子ども歌舞伎のオペラ座公演を機に、パリからの移住も増えている—。こんな夢を描いた新しいまちづくりの方針「湖の辺(うみのべ)のまち長浜未来ビジョン」の原案を長浜市が策定し、ホームページで公開している。

 ビジョンは中心市街地活性化基本計画(2009年〜19年)の計画期間が満了したことを受け、計画に伴って整備された施設を活用したソフト事業を中心とする新たなまちづくりの方針を、夢を交えて示したもの。

 中心市街地が人口減少や空き家の増加で活力を失いつつある中、進化するデジタル技術と、多様化する働き方などの社会変化を取り入れて、豊かな自然と文化を生かして持続発展的なまちを目指す。

 これまで黒壁や商店街に集中しがちだったまちづくりの意識を、琵琶湖を含めたエリアへとゆるやかに広げているのが特徴で、長浜港を「びわ湖レジャーの玄関口」、豊公園を「関西アウトドアフリークの聖地」とする夢を描き、豊公園に面する琵琶湖では「日本中の子供たちに大人気のびわ湖サマースクール」の開講をかかげる。

 市街地では「譲り受けた空き家を自分で直す暮らし方が大ブーム」とし、「湖魚のレシピや発酵文化がどんどんアップデートされる人気のレストラン」が誕生。市街地に点在する宿泊施設やレストランなどを結んで町をひとつのホテルに見立てる「アルベルゴ・ディフーゾ」(イタリア語で「分散したホテル」という意味)の聖地として長浜が注目される。—そんな夢の数々を並べている。

 長浜未来ビジョンの原案は14日から市のホームページで公開し、1月12日まで市民からの意見を受け付けている。問い合わせは市商工振興課℡(65)8766へ。

掲載日: 2021年12月15日