植物工場で葉物野菜栽培

長浜農高  初収穫で手応え

 長浜農業高校が今年度から校内に設けた植物工場で野菜の栽培に挑戦し、このほど初収穫を迎えた。快適な空間で農業に従事でき、収量もまずまずとあって、生徒は手応えを感じているようすだった。

 国のスマート農業推進政策の一環で、今年4月、農業技術センターの一室に広さ15平方㍍の植物工場を整備。密閉された室内での植物工場の導入は県内の農業高校では初の試みで、園芸科の3年生が栽培用と実験用の棚計3台で小松菜、リーフレタスなど葉物野菜の栽培に取り組んでいる。

 植物工場では野菜の生育に必要な温湿度、光の照射時間、CO2濃度、液体肥料の分量といった栽培環境をタッチパネルなどで制御する。1日15時間、電球で照らすことでハウス栽培に比べ2割程度、栽培期間の短縮につながり、密閉空間のため病害虫の被害も抑制できた。

 今月上旬に小松菜とリーフレタスの収穫を迎えた。小松菜は大きさが不揃いで課題を残したが、リーフレタスはハウス栽培に比べ大きく成長し、市内のスーパーに出荷した。

 収穫作業にあたった千田柊哉さん(3年)は「屋外での栽培よりも育てやすく、収穫量も多い気がする。短期間に大きく成長したので驚いた」、宮元士央哉さん(3年)は「快適な環境で栽培でき、成長スピードを速く感じた。収穫のタイミングが同じだったので、短期間の収穫となり、その点では大変でした」と語っていた。このほかにも「露地栽培よりも、人も植物も快適な環境で栽培できるので植物工場は良いなと感じた。また、密閉された環境なので、虫に食べられることもなく、おいしい野菜が作れる」との感想が出ていた。

 指導にあたった菱田実教諭は「ICT技術を使った植物工場の整備は、時代に即した農業教材となる」と意義を語り、「今後は光の色を変えることによって生育や栄養がどう変化するのか調べたい。ゆくゆくはイチゴやトマトの栽培に挑戦できれば」と話していた。

掲載日: 2022年06月16日