斬新な凸凹漆器 「浜椀」

仏壇の「宗永堂」が開発、波やウロコをイメージ

 国友町の仏壇仏具店「宗永堂」は独創的な漆器「浜椀」を開発。斬新な凹凸の塗り上げが話題となっている。

 店主の杉中伸安さん(56)は浜仏壇の漆職人の傍ら、うるし工房「NUUL(ヌール)」ブランドを立ち上げ、和紙の漆塗り花器など、独創的な創作活動をしている。

 「浜椀」は器の外側に漆との粉を混ぜたものを下地とし、厚みにより模様を描く「つけ塗り仕上げ」を施している。

 輪島塗のように表面に光沢はないが、しっかりとした手ざわりで、傷つきにくく、欠けたり、ひび割れした場合も補修ができる。

 模様としては琵琶湖のさざ波をイメージした「WAVE(浜波)」、魚の鱗のような「UROCO(うろこ)」のほか、縁が割れたようなデザインの小鉢「ROCK(竹生の岩)」があり、黒漆を塗り重ねた濃厚な色合いの「黒漆」と下地が透けて見える「朱溜め」の2色を揃える。

 従来の漆器は高級で丁寧に扱わなくていけないというイメージだが、杉中さんは「ジーンズのように身近でカジュアルに使ってもらえれば」と話し、結婚祝いや還暦、長寿の祝いなどに重宝がられているという。今後はパスタ皿やサラダボールなどへの展開も考えている。

 いずれも高さは7㌢で直径12㌢が4500円、直径11・5㌢が3800円。問い合わせは宗永堂℡(63)7769へ。

掲載日: 2020年03月10日