子ども役者 堂々の演技

出番山の地元で「十三日番」

 長浜曳山まつりが13日開幕し、夕刻から夜にかけて商店街の通りなどで行われた「十三日番」では、提灯の明かりに照らされた曳山の舞台で子ども役者が歌舞伎を披露した。

 「十三日番」は稽古の成果を初めて自町の曳山で披露する場。台詞が詰まったり、カツラが外れたりと初演ならではのハプニングがありながらも、子ども役者がはつらつと演技し、市民や観光客、稽古を支えてきた若衆から大きな拍手が送られた。提灯明かりでいずれの役者も艶っぽく見え、特に女形は妖艶な気配で観客を魅了していた。

 大手門通りの山蔵前で上演した壽山は、天下の大泥棒、石川五右衛門を演じた。前半パートは国外退去のスペイン人通訳の父親と、聚楽第へ送られる母親との別れ、後半パートは石田三成との友情などを描き、幼少期の五右衛門を栗原優太君(10)、大人になった姿を鈴木創太君(11)が演じた。「和と洋のコラボレーション」をテーマに、振付担当の水口一夫さんが創作した。片岡愛之助さんが演じた作品で、子ども歌舞伎としては長浜曳山まつりが初上演。曳山の舞台でのフラメンコの舞いが披露された。

 あす15日はいよいよ本日(ほんび)。長浜八幡宮で3年ぶりに歌舞伎を奉納する。

 

掲載日: 2022年04月14日