吉田拓馬選手 水球五輪代表に

長浜北星出身 小学生からの夢叶える

 長浜北星高校水球部出身の吉田拓馬選手(26)=Kingfisher74所属=が今夏の東京五輪の代表選手に選ばれた。日本水泳連盟が19日、吉田選手を含む五輪代表男女各12人を発表した。

 吉田選手は田川町出身。小学2年生の時、長浜スイミングスクール(八幡東町、現エル・アテインスイミングスクール長浜)で水球を始めた。同高水球部ではキャプテンを務め、国体やインターハイに出場。日体大でもインカレ優勝、日本選手権優勝などチームの主力として活躍した。2016年以降は日本代表として世界選手権やアジア選手権などで活躍してきた。

 身長172㌢、体重75㌔と水球選手としては小柄だが、スピードを生かしたプレーと、シュートやパス、アシストなどマルチにこなす器用さが持ち味。五輪でも日本代表選手の中で唯一、複数のポジションを担うことになるという。

 16年のリオデジャネイロ五輪では代表にあと一歩及ばず、今回、初めての代表選出となった。吉田選手は「五輪に出るのが小学生の頃からの夢の一つだったので、代表に選ばれて素直に嬉しい」と語り、「初めての五輪なので結果を出すのはもちろんだが、水球を楽しみながら、自分の得意のスピードを生かしたプレーをできれば」と語る。

 19日、吉田選手からLINEで第一報を受けた母親の美智子さん(52)は「本当に感無量です」と感激を隠さない。父親の幸夫さん(56)と一緒にスイミングスクールまで送迎したことを振り返りながら、「自分の信じた道を、諦めずに、自分できることを続けてきた。いつか夢が叶うといいなと思っていました」と話した。

 長浜北星高水球部出身者(旧長浜商工含む)の五輪代表選出は、吉田選手の恩師でもある藤田悦司さん(59)のロサンゼルス五輪出場以来、37年ぶりの快挙となる。藤田さんは吉田選手について「高校時代から超一流プレーヤー。運動神経もよく、真面目」と評し、「昨日、電話をいれたところ、『(決まると思っていたが)ほっとした』と、話していた。オリンピックでは得意とする泳力、強肩を生かし、まずは1勝、上位進出を狙ってほしい」とエールを送っている。

 長浜市からの五輪代表選出に藤井勇治市長も「日本代表入りおめでとうございます。日ごろの成果を遺憾なく発揮いただき、ご活躍されることを、全市民をあげて大いに期待します」とのコメントを寄せた。

 なお、東京五輪には男子12チーム、女子10チームが出場。いずれも2組に分かれて総当たりの1次リーグを実施し、各組の上位4チームが準々決勝に進む。

スイミングスクールの子ども達がエール

 吉田選手の五輪代表選出の報にエル・アテインスイミングスクール長浜で水球を練習する子ども達からは喜びの声が出た。浅井中1年の奥昇大君は「同じチーム、同じ中学出身の先輩がオリンピック代表に選ばれてすごく感動しました。オリンピックでも活躍してください」、長浜北中3年の上坂飛嘉君は「拓馬さんは、長浜に帰省した時は、いつも僕たちに水球を教えに来てくれます。憧れの先輩です。オリンピックでは、いっぱい得点を決めてください。日本が金メダルを獲って欲しいです」と、吉田選手の活躍に期待する。

 子ども達の喜びの声を受け、吉田選手は「小学生から持っていた夢を叶えた。みんなも好きで続ければ夢が叶う。一緒に頑張りましょう」と話している。

掲載日: 2021年05月20日