古民家で地域の活性化は?

余呉で「お知恵拝借」意見交換会

 「古い空き家を改修したが、どうやって活用、展開してゆけば?」—古民家の有効活用を参加者に考えてもらうというユニークなセミナーが1日、余呉町上丹生の「城楽邸」で開かれ、参加者が古民家と地域資源を生かしたまちおこしについて意見交換した。

 会場となった「城楽邸」はオーナーの城楽直さん(64)の生家で、130年前に建てられた。10年前から空き家となり、4年前の台風で屋根が損壊したことを機に「地域の活性化に役立てたい」とリフォームを決意。典型的な余呉型古民家で、骨格部分の太い梁や土間など、昔の佇まいを残しながら、時代に合わせた内外装や水廻りに改修。農家民宿をしようと考えた。

 しかし、城楽さんは民泊経営のノウハウを持っておらず、地域特性化に取り組む「丹生の里暮らし協議会」に相談。地域の人たちや有識者の知恵を「拝借」することに。

 セミナーでは米原市大久保で田舎体験民宿「大門坂」、そば屋「久次郎」などを経営している谷口隆一さんから体験談を聞いた上、参加者22人が意見交換した。

 谷口さんは伊吹大根やヨモギなど地域素材を活用し、特産品を生産。インターネットやマスコミによる情報発信などにより、ファンを獲得していることを説明。「途中でやめることは失敗。自分が好きなことを始めたのだから、信念を貫き、地域に愛着を持って、継続することが大切」などとアドバイスした。

 参加者からは「余呉ではシソやショウガ、丹生ごぼう、アユ、茶わん祭りなどがあり、新たな工夫、仕掛けを作れば」「コロナ禍で田舎が見直されている。余呉の素晴らしさを再認識し、おもてなしができるようにすれば」「高齢化率0%の新集落を作れば、ニュースとなり、人を呼び込むことができる」などの意見が出ていた。

掲載日: 2021年07月02日