伊吹高野球部、21世紀枠候補

甲子園・春のセンバツ大会  近畿代表に

 来春の第94回選抜高校野球大会の「21世紀枠」で、候補校9校が10日発表され、伊吹高が近畿地区の候補校に選ばれた。 

 野球部は1996年の創部で、春夏ともに甲子園出場はない。部員数は29人(マネージャー3人)。冬場、雪深くなると、長靴を履いてサッカーやラグビーボールをし、下半身を鍛錬。雨天練習場がなく、校舎内で地道なトレーニングを続けてきた。

 公立高のため、県外からの野球留学者はおらず、中学硬式クラブ出身者はわずか2人。ほとんどが軟式野球経験者。今秋の県大会は1〜3回戦をいずれも2ケタ得点でコールド勝ちしベスト8に進出。準々決勝では近江にサヨナラ負けしたが、投手を中心とした守りと強打が印象に残る戦いぶりをみせた。

 中川蒼河主将(2年)は「知らせを聞いたときは嬉しかった。近畿代表として生活の面でも責任感を持ちたい。みんなには『甲子園でやるんだ。甲子園のために頑張ろう』と呼びかけた」と喜びを語った。

 野村勇雄監督(50)は「まず、これまで死に物狂いで頑張っていた教え子たちの姿が瞼に浮かんできた」と述べ、「地域に愛される野球部を目指し、あいさつやボランティアにも積極的に取り組んできた」「小中学生の野球人口が減っており、湖北の高校も甲子園から長らく遠ざかっている。野球で結果を出し、地域に喜んでもらえたら。子どもたちに夢を与える野球をしたい」と抱負を語った。

 各地区の代表は▽札幌国際情報(北海道)▽只見(福島)▽県太田(群馬)▽相可(三重)▽丹生(福井)▽伊吹▽倉吉総合産(鳥取)▽高松一(香川)▽大分舞鶴(大分)。センバツ出場校は来年1月28日に開かれる選考委員会で決まり、21世紀枠の3校は東日本(東海、北信越以東)と西日本(近畿以西)から各1校を選出し、残る1校は地域を限定せずに選ぶ。

掲載日: 2021年12月13日