ペットと暮らし 自立促す

高月町に障害者グループホーム

 犬と一緒に暮らすペット共生型の障害者グループホーム「アトラス高月」が高月町落川にオープンした。殺処分の危機にある保護犬の居場所をつくるとともに、障害者が一緒に暮らすことで自立した生活につながると共生の効果が期待されている。

 グループホームは不動産事業や塾経営を手掛ける「クレセント」(小堀町)が運営。ペット共生型の障害者グループホームとして「わおん」「にゃおん」のブランド名で全国展開している「アニスピホールディングス」(東京都)のノウハウを活用している。

 社員寮として使用されていた2階建ての建物を改修し、男女別に個室計16部屋を整備した。1階を男性、2階を女性フロアとし、それぞれに共用スペースなどを設けている。スタッフが24時間常駐する。

 スタッフとともに障害者を出迎えるのはミニチュアダックス4頭。3頭は何らかの事情で飼い主が飼えなくなったのを保護活動に取り組むNPO法人から引き取り、1頭はペットショップで売れ残り殺処分の危機にあったのを購入した。

 保護犬は共有スペースで暮らし、入居者には散歩やエサやりなどの世話を通じて触れ合ってもらいたい考え。施設管理者の松岡恵さん(59)=介護福祉士=も犬の保護活動に取り組み、自宅では7頭を飼育する。「年間約2万5000頭の犬、猫が殺処分され、尊い命が奪われている。その命を助け、障害者の生活支援につながれば」とペット共生型のグループホームの可能性に期待を寄せる。

 募集を始めたばかりでまだ入居者はないが、松岡さんは「ペットと触れ合うことで入居者の皆さんが笑顔で元気に安らかに過ごしてもらい、ペットにも幸せになってもらいたい」と話している。

 入居対象は精神・知的、身体障害者で障害支援区分が1〜3程度(4以上は面談、体験入居などで判断)で、排泄、入浴、食事、移動などに介助が不要なこと。18歳から64歳まで。月額利用料は6万8000円(家賃3万円、食費2万円、水道光熱費1万5000円、日用品費3000円)。問い合わせはアトラス高月℡080(7685)6214へ。

掲載日: 2023年01月19日