スーツNG!私服で就活 学生に好評

長浜で「夏フェス」就職面接会、企業名隠すブースも

 湖北地域の企業60社が参加する学生就職面接会「湖北就活ナビ」が28日、長浜バイオ大で開かれた。学生の売り手市場を背景に近年、参加者が減少しているが、今年はコンセプトを一新して私服での参加を呼びかけたところ、昨年の倍となる87人が来場。リラックスできる雰囲気が学生にも好評で、主催者は手応えを感じている様子だった。

 面接会は若者の地元への定着と、地元企業の人材確保を目指し、2011年から長浜、米原両市が実行委員会を組織して毎年、開いている。当初は「リーマンショック」により就職先が見つからない学生に地元企業を紹介するのが目的で、初年は308人の来場があった。しかし、その後の景気回復に伴って人材が大手企業や都市部の企業に流れ、参加者は年々減少。昨年はわずか40人の参加しかなく、いかに学生を呼び込み、地元企業の魅力を発信するのかが課題となっている。

 今年は「夏フェス」をコンセプトに、学生が参加しやすい雰囲気づくりに取り組んだ。企業の担当者、学生、会場スタッフ全員を「スーツNG」として私服を義務付け、BGMにポップスを流すなど、面接会の堅苦しい雰囲気を取り払った。また、企業名を出さないことで、学生が先入観を持たずに企業の雰囲気や担当者の人柄などを知る「共感ブース」も設けた。

 参加した学生はリラックスした雰囲気で企業ブースを回り、企業の担当者と話を弾ませていた。参加した学生は「スーツだと縮こまってしまい、聞きたいことがあっても聞きにくい。きょうは気軽に話をできる雰囲気だった」「参加しやすい。来年もこのスタイルを続けたらいいと思う」と満足気。また、「個人的にパンプスが苦手なので、スーツNGはありがたい」と語る学生もいた。

 企業名を一切明かさない共感ブースに出展した企業の担当者は「これまでも出展していたが、学生がブースに来てくれない。同じようにやっていてはダメだと、チャレンジしてみた。うまくマッチングできるかは分からないが、面白い企画だ」と話し、学生は「仕事の雰囲気や、担当者の人柄、上司との人間関係などが分かった」と話していた。

掲載日: 2019年06月29日