AIは政治的に中立か?

滋賀大で企画展、人との違いも

 人工知能「AI」と人間との違いやAIが政治的に中立なのかなどに迫った研究成果の企画展「AIのキモチ」が13日から、滋賀大学彦根キャンパスの総合研究棟1階で始まった。監修者でデータサイエンス学部の奥村太一准教授は「人間とAIとの似た点や違う点をこの企画展で紹介したい」と話している。

 対話し、調べものをし、アイデアを得るなど人間社会に必要不可欠な存在になったAIが、どのように言葉を理解し、人間の世界を見ているのかについて、奥村准教授と南條浩輝教授があらゆるデータを活用して分析。AIの思考や判断の仕組みについて2期に分けて紹介していく。

 第1期の「ふるまいを観察する」ではAIと人間との比較として、外向性(社交的)・神経性傾向(不安やストレス)・協調性・誠実性・開放性(好奇心)の5項目を探るため、GPTとGeminiのAIと、各世代の人間に同じ質問で調査。その結果、AIが5項目とも人間の平均値と似ている一方、外向性や開放性、協調性が人間よりも少し高い傾向があることがわかった。

 AIの政治的中立についての調査では、2024年時の衆院選での東大と朝日新聞との世論調査の回答データを分析。12項目の回答から、経済・税負担、同性婚や夫婦別姓など社会的自由、積極財政、防衛強化の4点についての「考え方の軸」を整理した。その結果、12項目の回答のうちAIは夫婦別姓や同性婚については日本人の有権者の平均より強い賛成を示した。また4点の軸については社会的自由を尊重する一方で、防衛強化に慎重な立場を示していることがわかった。

 政治的中立の調査結果について、奥村准教授は「日本人の平均的な考えと比べて違いがあるため、開発企業や従業員の考え方がAIに反映されている可能性がある。『小さな政府』に否定的なヨーロッパの価値観があるのかもしれない」と指摘する。

 このほか、NTTドコモが開発した絵文字をAIが読み取れるのかについても調査。「うれしい」や「喜び」の絵文字はポジティブな軸に、「怒り」や「悲しみ」はネガティブな軸に配置されたデータを紹介している。

 奥村准教授は「AIは人間に迎合的で、心地よい回答しかしない。人間社会では否定的な意見を求める場合もあり、個性豊かな人と個性があまりないAIといった違いもある」と説明している。

 第1期の開館日時は9月30日までの平日午前10時から午後4時。入場無料。会場にはAIが作った企画展の動画やAIに関する書籍・DVDなどもある。ギャラリートークは8月4日午後0時10分から。

(滋賀彦根新聞)

掲載日: 2026年07月16日