黒壁、新体制で再出発

奥伊吹グループ主導で再建本格化

 

 経営再建を進める黒壁は7月31日に臨時株主総会と取締役会を開き、新たな役員体制を決定した。8月1日から新会社として事業を開始し、代表取締役社長には奥伊吹SPC社長の寺田康次氏(54)が就任。第二会社方式による再建は実行段階に入り、新たな経営体制のもとで「末永く安定した自立経営」の確立を目指す。

 黒壁は1988年に設立され、「黒壁スクエア」を中心に長浜観光をけん引してきた。一方で長年積み上がった多額の債務が経営の重荷となり、地域経済活性化支援機構(REVIC)や金融機関の支援を受けながら経営改革を進めてきた。今年6月にはブランドや事業、従業員の雇用を新会社へ引き継ぐ第二会社方式による再建が正式決定し、長浜市、奥伊吹ホールディングス、長浜商工会議所、長浜米原観光協会の4団体が計9000万円を出資して新会社を設立した。

 新たな役員体制では、新社長に寺田氏が就任したほか、取締役には奥伊吹ホールディングスの代表取締役社長・草野丈太氏、同社取締役・草野穣治氏も就任した。出資額は長浜市と奥伊吹ホールディングスがそれぞれ4000万円で並ぶが、経営トップと取締役2人を奥伊吹グループが担う体制となった。

 寺田氏が社長を務める奥伊吹SPCは米原市のグリーンパーク山東や近江母の郷の指定管理運営を担っている。寺田氏は就任にあたり、「地域社会やステークホルダーとの連携をさらに深め、黒壁ブランドの価値向上に取り組む」とコメント。「取締役をはじめとする経営陣と現場で働く社員とのコミュニケーションをこれまで以上に緊密にし、経営方針を共有しながら現場の想いやアイデアを生かせる風通しの良い組織づくりを進めたい」と抱負を述べた。また、新株主、経営陣、従業員が一丸となって安定した自立経営基盤を築き、事業成長と地域の魅力創出に取り組む考えを示した。

 奥伊吹ホールディングスは、関西最大級のスキー場「グランスノー奥伊吹」の運営をはじめ、近年は近隣の観光・宿泊施設運営にも事業を広げている。新体制では、同グループが培ってきた観光施設運営の経験や経営手法が黒壁の再建と観光拠点としての魅力向上に生かされることが期待される。

 役員体制はこのほか、取締役に松居雅人長浜市副市長、北川雅英長浜商工会議所専務理事、前川和彦長浜米原観光協会会長、監査役に西川雅英税理士と大音洋長浜市産業観光部長が就任した。

掲載日: 2026年08月04日