駕籠に人乗せて彦根城登城へ

歩行困難者対応で実証実験19日

 彦根市は、歩行が困難な高齢者や障害者らにも彦根城の本丸まで登城してもらおうと、10月19日に駕籠(かご)を用いて登城する実証実験を行う。城内にはエレベーターやスロープなどを設置できないことから、史跡への影響を抑えながら登城できる方法を検証する。市は駕籠を担ぐボランティアを募集している。

 彦根城内は国の特別史跡に指定されているため、バリアフリー化の大規模な設備が設置できない。一方、車いす利用者や歩行が困難な高齢者らにも本丸まで足を運んでもらえるための方策が課題になっている。

 城内では今年5月にNPO法人県脊髄損傷者協会が車いすの補助具を用いて登城する実証実験を実施。今回、市は石段など史跡への影響を最小限に抑えながら来訪者を登城させる手法として、駕籠を使っての実証実験を行う。

 備中松山城がある岡山県高梁市で実証実験が行われた際に使った駕籠1台を借り、彦根市肢体不自由児父母の会の会員の娘を搭乗者として乗せる。駕籠はアルミ製で、座面は85㌢×65㌢、高さ1・1㍍、重さ約17㌔。

 実証実験は10月19日午後1時半から同5時まで、彦根城の表門券売所前から天守前広場までの片道約285㍍を往復する。区間の高低差は約50㍍、石段は140段ある。搭乗者は2人参加し、それぞれ1往復の計2往復して、登城にかかる時間や担ぎ手らの身体的な負担などを調べる。

担ぎ手5人を募集

 担ぎ手はボランティア約5人と希望する市職員10人以上を予定。約100㍍ごとに交代しながら担ぐ。市は体力がある者を対象に担ぎ手を募集している。性別、年齢など問わない。申し込みは10月9日午後1時までに市文化財課☎0749(26)5833。

 実証実験後、搭乗者と担ぎ手を対象にアンケート調査を行い、負担やストレスなどを検証し、11月下旬までに報告書を作成。今後の運用の可能性について検討していく。田島一成市長は「どれほどの時間がかかるのか、搭乗者や担ぎ手にどれほどのストレスがあるのかなどの調査を行うことが大事で、導入については時期を含めて未知数」としている。

(滋賀彦根新聞)

掲載日: 2026年09月29日