駅弁文化、米原市文化財に

井筒屋資料と汽車土瓶 「鉄道の町」象徴

 米原市教育委員会は、米原駅で長く駅弁や駅そばを販売してきた井筒屋に伝わる「井筒屋資料」と、米原駅構内で見つかった「米原駅出土汽車土瓶」の2件を新たに市指定文化財に指定した。いずれも有形文化財(歴史資料)。今回の指定で、市指定文化財は計98件となった。

 井筒屋資料は345点。井筒屋は安政元年(1854)に長浜で旅館業を始め、米原駅が開業した明治22年(1889)から駅構内で駅弁販売を始めた。資料群は2025年3月の駅弁事業撤退後、同年12月に市へ寄贈された。

 資料には、明治34年(1901)の米原駅構内での弁当販売許可申請書や営業許可書、戦前から近年までの駅弁掛け紙、調理器具、旅館営業に関する帳簿などが含まれる。駅弁掛け紙だけで156点あり、駅弁屋の営みをまとまって伝える内容となっている。

 米原駅出土汽車土瓶は12点。1994年の米原駅構内工事で見つかった。汽車土瓶は、駅弁とともに鉄道利用者へ販売された陶器製のお茶の容器で、昭和40年代にポリエチレン容器が登場すると姿を消した。

 今回指定された土瓶は、角形の形状や文字表記などから昭和初年から終戦期のものとみられる。「ぬまづ/桃中軒」(沼津駅)や「東華軒」(小田原駅)などの文字があり、東海道線沿線で販売されたものが米原駅まで持ち込まれ、廃棄されたと考えられる。まとまった数の発見は、米原駅が重要なターミナル駅だったことを示す物証でもある。

 市教委は、2件を「鉄道の町・まいばら」を象徴する歴史資料として保存活用していく。指定資料を含む企画展「風味・風土・風景感じる駅弁〜鉄道の町・まいばらと井筒屋〜」は、今月25日から9月13日まで伊吹山文化資料館で開かれる。

 

 

 

 

 

掲載日: 2026年07月01日