養殖ビワマスの採卵始まる

醒井養鱒場で 千匹から100万粒

 米原市上丹生の醒井養鱒場は18日、養殖用ビワマスの採卵作業の様子を公開。11月上旬までに約1000匹から約100万粒を採卵する計画だ。

 醒井養鱒場は1979年にビワマスの養殖に成功し、90年からより価値の高い種を作り出すための育種研究に着手。93年に養殖の環境でも大きく成育する「高成長系」の作出に成功。2008年からはさらに大型化が可能になる技術開発を始めた。

 ビワマスの成熟期間は天然だと3年から5年かかるが、養殖では2年でほとんどが成熟。全長40㌢の場合、1匹で1000粒ほどの卵を産む。採卵の作業工程は①雌の頭部分を木製の採卵台に入れ、腹部から卵をしぼり取る②集めた卵に薄い塩水(等張液)を入れて汚物などを洗い流す③雄からしぼり取った精子をかけて受精させる④ふ化場に運んで消毒後、12℃前後のわき水に入れて収容する。その後、卵は27、28日後にふ化する。

 初日の18日は約170匹から15万粒を採卵した。作業は11月上旬まで行われ、4㌢ほどに成長した稚魚約10万匹はビワマスを養殖業者でつくる「びわサーモン振興協議会」に配布される。養殖のビワマスは「びわサーモン」の商標で提供されており、2021年度は約14・4㌧の生産量だった。桑村邦彦場長は「コロナで消費が少し落ち込んだが、これから回復するだろう。知名度が高くなることを期待したい」と話していた。

紅葉ます祭採卵・釣り体験

 醒井養鱒場は11月13日に「紅葉ます祭」を催す。採卵体験が午前11時半と午後0時半・各回10人・1000円、釣り体験が午前10時半・同11時半・午後0時半・同1時半で各回20人・1000円。ニジマス親子丼やびわますバーガーなど飲食販売、ストラックアウトなども。午前10時〜午後3時。入場料は大人540円、高大生320円、中学生以下無料。

掲載日: 2022年10月19日