琵琶湖での車両転落や船同士の衝突など、水難事故を想定した救助訓練が1日、長浜港で行われ、長浜、米原、木之本の各警察署、湖北地域消防本部、水上警察隊、民間事業者など約60人が参加。万一の事態に備え、連携体制を確認した。
訓練は長浜港の岸壁からの車の転落、バスボートと漁船の衝突、水陸両用観光バスからの乗客の落水の3つの事故ケースを想定。県防災航空隊のヘリコプター、湖北地域消防本部の潜水隊(アクアラング隊)、水上警察隊の警備艇などが出動し、遭難者に見立てた人形などを救助していた。
長浜港などで水陸両用の観光バスを運行するT&Tコーポレーションも訓練に参加。バスから琵琶湖に転落した乗客に浮き輪を投げ、救助作業を水上警察隊の船に引き継いだ。
長浜署によると今年1月から今月28日までで、県内では船舶事故が20件、水難事故が6件発生している。長浜市内では1月に南浜町の琵琶湖でボートが転覆しビワマス釣りをしていた男性3人が死亡している。
長浜署の井上和幸署長は訓練開始にあたり「本格的なレジャーシーズンが始まり、船舶事故、水難事故が懸念される。関係機関による迅速な救助活動が欠かない。連携を図って実のある訓練を行ってほしい」などとあいさつしていた。
同署の松村直紀地域課長は「ボート遊びをする際は救命胴衣を正しく着用することが大切。7月の琵琶湖水上安全条例の改正で、酒気を帯びた状態で船舶を操船することが禁止され、罰則も設けられた。取り締まりと啓発を強化したい」と話した。