湖北地域消防本部、連携プレーで人命救助
湖北地域消防本部は7日の「消防の日」に合わせ今年度の消防表彰式を行い、人命救助活動に貢献した長浜キヤノン(国友町)の従業員8人に感謝状、全国消防救助技術大会に出場した消防職員1人、消防機器を開発した消防職員4人に表彰状を贈った。
感謝状が贈られたのは片桐聡さん(46)、大矢将之さん(38)、辻功さん(50)、川崎信一さん(53)、山中昌子さん(53)、北川直樹さん(39)、西川達哉さん(45)、中川郁男さん(59)。いずれも長浜キヤノンに勤務している。
昨年10月3日朝、始業前の工場休憩室で男性(61)が突然倒れ、心肺が停止。最初に気付いた片桐さんが男性の意識や脈を調べ、119番通報を行うとともに、救急隊が到着するまでの間、AEDを使用したり、心臓マッサージを行ったりした。他の従業員も交代で心臓マッサージを施し、AEDや担架の準備、救急隊員の誘導などに協力した。また、看護師の資格を持つ山中さんは救急車に同乗し、男性の病歴などを救急隊員に伝えた。
男性は救急搬送中に呼吸を再開し、病院到着時には会話ができるまでに回復。無事に社会復帰を果たした。湖北地域消防本部は「一つ一つの行動により、救命活動が絶え間なく継続され、男性の社会復帰につながった」として8人を称えた。
感謝状贈呈式では清水正幸消防長が1人ずつに感謝状を手渡し、「誰もが躊躇する場面で、とっさに行動を起こされた皆さんの勇気が尊い命を救った。こうした活動を多くの人に知ってもらい、地域の人が助け合える社会になれば」と話した。
最初に男性に駆け寄った片桐さんは長浜市消防団浅井北分団で約8年間、消防団活動に従事している。「消防団員のスキルを生かせて良かった。初めてのことだったが、体が勝手に動いた」と振り返っていた。
長浜消防署の5人を表彰 救助大会や機器開発論文で入賞
消防職員への表彰状は、全国消防救助技術大会ロープブリッジ渡過の部で入賞した古川幸平さん(30)、全国消防協会主催の「消防機器の改良及び開発」に関する論文で東近畿支部代表として推薦され、入賞した浦島智彦さん(43)、薮田唯人さん(22)、西村公利さん(46)、奥出晴貴さん(32)の5人(いずれも長浜消防署勤務)に贈られた。清水消防長は「功績は日ごろの職務におけるたゆまぬ研鑽と努力の成果。今後も日々努力を続けてほしい」と声をかけていた。