七条素人劇団、笑い満載「遠山の金さん」披露
七条町の住民有志でつくる「七条素人劇団」の公演が25日、南郷里まちづくりセンターで開かれ、アドリブやギャグ満載の愉快な芝居に、観客から盛んな拍手が送られていた。
披露した芝居は「遠山の金さん〜投資詐欺撲滅編」。南郷里村を舞台に「金儲けの達人」をうたう一味が、越後屋に株への投資を勧めて1000両を詐取したり、新しい小判制度への移行に便乗して村民に旧小判の回収を呼びかけてだまし取ったりした。特殊詐欺の手口を時代劇に持ち込んだ内容で、最後はお白洲を舞台に「濡れ衣だ」と開き直る詐欺一味を、伊藤俊次さん(70)演じる金さんが桜吹雪を見せつけて断罪。「これにて一件落着」との決め台詞に会場から大きな拍手が沸いた。
最近の米不足と高騰、大臣の失言、トランプ関税など随所に時事ネタを絡め、舞台転換の間には昨年の新紙幣発行に伴って発生した詐欺の手口を紹介していた。
七条町は「イセキの能面」の発祥の地でもともと演芸が盛ん。同劇団では時代劇「必殺仕事人」「水戸黄門」「遠山の金さん」などをアレンジした作品を上演し、人気を博している。
今回の作品も脚本、演出などすべて団員手作りで、昨年9月から稽古を重ねてきた。小学1年生の女の子から84歳の男性まで16人が出演し、会場は用意した80席が満席となる盛況ぶりだった。公演は南郷里地域づくり協議会の主催。
詐欺グループの一味を演じた劇団座長の井関敏夫さん(78)は「たくさんのお客さんに来ていただき、うれしい。芝居を見た方からさっそく公演の依頼もいただいた。今後も続けていきたい」と話している。
七条素人劇団の公演依頼は井関さん℡090(8145)4617へ。