日本政策金融公庫が主催する第12回高校生ビジネスプラン・グランプリで虎姫高校のチームが県内公立高校としては初のセミファイナリスト賞(ベスト20)に輝いた。17日、ベスト100の伊香高校のチームとともに長浜市役所を表敬訪問し、浅見宣義市長に入賞を報告した。
グランプリは創業マインド向上を目的に2013年度から始まり、今年度は全国536校から過去最多となる5151件のビジネスプランが提案された。県内では7校から44件の提案があり、虎姫がベスト20、伊香と立命館守山がベスト100に入賞した。
虎姫高校 有機化合物をカードゲームに
虎姫は有機化合物の構造と性質を楽しく学べるオリジナルカードゲームを提案した。炭素数や分子量などが表示された「分子カード」と、分子カードを強化する化学反応や実験器具からなる「Laboカード」を使って数値(分子量や沸点の高さ)を競うもの。
有機化合物はベンゼン、エタノール、酢酸など多種多様でその構造や反応を覚えることに苦手意識を持つ生徒が多いことから、このゲームを通じて化学に親しんでもらいたい考え。
この日、宇野春菜さん(2年)ら7人が浅見市長らにプレゼンテーションを行い、虎姫高校の生徒の71%が「化学の勉強が好きではない」と回答したが、カードゲームを体験した後は79%が「有機化合物の授業を受けてみたい」と回答したことを紹介。今後の展望としてカードを1セット当たり1300円で販売し、販売5年目には共通テスト受験者の1割に普及させることで1200万円余りの利益を出せるとの見通しを掲げていた。
伊香高校 おみくじ付きドリンクで恋愛応援
伊香は清水玲奈さん(2年)ら3人が江北図書館前の「つるやカフェ」とタッグを組んで開発・販売した「恋みくじドリンク」を提案した。アルコールを飛ばした山路酒造の桑酒を用いた「桑トニック」と、規格外の南浜ぶどうをジャムにして炭酸水で割った「シークレットドリンク」の2種類に、恋愛運を占うおみくじをつけた商品。「恋心を抱いた高校生たちの背中を押したい」との思いとともに、地元の食文化を商売につなげる「地産地商」を目指した。
木之本地蔵大縁日で販売したが、縁日会場から離れていたことから販売目標には届かなかった。この日のプレゼンテーションではSNSなどでの宣伝戦略を課題として挙げ、「利益を上げることの難しさを知った」などと振り返った。
両校の提案を聞いた浅見市長は「世の中や長浜を良くしたいという強い思いが嬉しい。この機会に学んだ企画力やプレゼンテーション能力を大事にしてほしい」と呼びかけていた。