「守り育てる会」が発足、住民・行政・企業などタッグ
長浜市の中心市街地を流れる米川の自然環境を守り、豊かな水辺を次世代へ引き継ごうと、地域住民や行政、企業、研究機関、市民団体などでつくる「米川を守り育てる会」が8月31日発足した。同日夜、長浜まちづくりセンターで発足式を開き、約50人が出席。会長に長浜まちなか地域づくり連合会顧問で、米川流域治水対策協議会会長の徳原栄二さんを選出した。
米川は川崎町付近を起点に中心市街地を通って琵琶湖へ注ぐ全長約2・5㌔の河川。かつては豊かな自然に恵まれ、住民の暮らしと密接に結び付いていたが、約50年前から工場・生活排水による水質悪化やヘドロの堆積などが進んだ。その後、下水道整備などで水質は改善し、近年はアユの遡上に加えビワマスの稚魚も確認されている。
会の母体となった長浜まちなか地域づくり連合会は、約6年前から「米川・かわまちづくり」に取り組み、河川清掃や生き物調査、子ども向けの川遊びなどを続けてきた。今回、地域住民に加え、市や県、企業、金融機関、病院、研究機関、市民団体などが参加し、幅広い主体が連携して米川の保全と再生に取り組む体制を整えた。
構成団体には、県、市の関係部局のほか、滋賀銀行長浜支店、長浜キヤノン、長浜信用金庫、長浜赤十字病院、三菱ケミカル中日本事業所、米川支流環境づくり協議会、NPO法人近江淡水生物研究所などが名を連ねた。
活動では、構成員同士で情報共有や連携しながら、ビワマスなどが遡上・産卵・繁殖できる水辺環境の保全・再生や、米川で学び、遊び、楽しむ機会づくりなどに取り組む。
この日の発足式で、長浜まちなか地域づくり連合会の大野道浩会長は、最近、米川の中を約1㌔歩いた際、住宅から川へ下りられる「川戸」と呼ばれる水場が約30カ所あったことを紹介。「住んでおられる方と米川の関係性は非常に深いものがある」と語った。また、今年3月の生き物調査で2年ぶりにビワマスの稚魚を確認できたとし、「米川の魅力をさらに見つけ、育てていきたい」と話した。
県琵琶湖環境科学研究センターの佐藤祐一専門研究員が、野洲市の家棟川で10年以上続けてきたビワマスの保全・再生事例を報告。ビワマスの学名「オンコリンカス・ビワエンシス」を付けた県立琵琶湖博物館の藤岡康弘特別研究員は、ビワマスの生態や魅力、米川での再生の可能性について説明した。前長浜まちづくりセンター所長で、米川のビワマス再生の取り組みを後押ししてきた尾崎栄治さんも、これまでの活動を発表した。
会では今後、地域、行政、企業、研究機関などがそれぞれの知見や強みを持ち寄って米川の自然環境の保全・再生を進める。かつて暮らしに身近だった米川とのつながりを取り戻し、子どもたちが生き物と触れ合える水辺として次世代へ引き継ぐことを目指す。






