開伸が開発 飛沫ブロック 防曇加工も
透明プラスチックケースの製造を手掛ける「開伸」(西上坂町、橋本久司社長)がPET樹脂を使った「透明成形マスク」を地元企業と共同開発し、9月の発売に向けて準備を進めている。
透明成形マスクは同社が得意とするプラスチックシートの特殊加工技術を活用し、マスク製造のノウハウを持つ橋本クロス(南浜町)、プラスチック樹脂を取り扱うパンテック(大津市)の協力を得て開発した。
従来の不織布や布マスクの課題である夏場の暑さや呼吸のしにくさを解消するために、透明のPET樹脂を加工した立体構造としている。鼻から口元を覆う形状で、飛沫防止はもちろん、呼吸がしやすく熱がこもらないのが特徴。曇り止めの加工を施している。また、口元が見えることから笑顔などの表情が伝わりやすくなる効果も。現在、特許を出願中。
新型コロナウイルスの影響で従来の化粧品用のパッケージ需要が激減するなど逆風にさらされる中、同社ではこれまでもフェイスシールドやパーテーションなど感染対策製品の開発に取り組んできた。今回の透明成形マスクも営業課長の戸島章裕さんら若手が「まったく新しい形のマスクを」と約3カ月かけて作り上げた。紙粘土で型を作ってはマスクを成型して試着するなど、昼夜、試行錯誤を繰り返して、完成にたどり着いた。
戸島さんは「透明プラスチック加工のプロがこだわり、考え抜いた商品」と太鼓判を押し、レジや受付などの接客業、商談の席、教育現場など口元の動きによるコミュニケーションが必要となるシーンでの活用を期待している。透明成形マスクの問い合わせは開伸℡(68)0870へ。
クラウドファンディングも
開伸では透明成形マスクの開発と製造にあたり、現在クラウドファンディング(CF)を実施中。支援金額に応じてマスクを送る。目標金額は100万円。CFサイト「READYFOR」では開発に至った思いや商品の特徴などを紹介している。