従業員の8割が女性、柔軟で多様な働き方実現
子育て世代が安心して働ける職場環境づくりに取り組む事業所を称える長浜市の子育て応援表彰の受賞者に神照町のワイヤーハーネス製造「福岡産業」(中川繁社長)が選ばれ、16日、同社で表彰式が行われた。
同社は電気配線ケーブルの加工やワイヤーハーネス生産を行い、エレベーター、金融機器、防災・セキュリティ関連、デジタル放送設備など産業用機器製造企業に製品を提供している。長浜2カ所と東京に拠点を持ち、今月19日に創業50周年を迎える。
従業員は約80人で8割が女性という。うち50人余りがパート勤務で、午前中勤務だったり週3日勤務だったりと、子どもの成長や家庭の状況に合わせてフルタイム、パートなどの雇用形態を選べる柔軟で多様な働き方を実践している。
市の審査では仕事と子育ての両立に職場の理解が深く、休暇を取得しやすい風土などが評価されたほか、直接雇用だけでなく子育て世代が集まる「LOCO Living」(えきまちテラス長浜内)に軽作業を発注することで、就労が困難だったり再就職に不安を感じたりしている母親らに労働機会を提供していることも評価された。市未来子ども若者局は「枠にとらわれない取り組みで子育て世代の働きやすさを実現し、経営面から各種制度の充実が難しい中小企業にとってロールモデルになる好事例」としている。
表彰式で浅見宣義市長は「仕事と子育ての両立には職場の理解が必要で、会社ぐるみで子育てを応援する企業が日本の未来を担う。この取り組みが日本中に広がってほしい」と声をかけ、表彰状と黒壁ガラス製の盾を中川社長に手渡した。
中川社長は「光栄でありがたい。こうした会社づくりが市に認めていただいて大変嬉しく思う。小さい会社だが、この受賞を励みにこれからも従業員が福岡産業に入って良かったと思える会社づくりに取り組みたい」と決意を新たにしていた。
なお、多胎児家族を支援する市民活動グループ「kasikasi(カシカシ)」も子育て応援表彰の受賞団体に選ばれ、後日、表彰式が行われる。
子育て応援表彰は2015年度に始まり、今年度を含め計21事業所・団体が受賞している。