県内詐欺被害、総額12億円

4月末時点、SNS型ロマンスが猛威

 SNSを悪用した投資詐欺やロマンス詐欺、特殊詐欺の被害が相次いでいる。県警の4月末時点の集計では今年に入ってからの被害額は12億円を突破している。5月以降も被害が相次ぎ、湖北地域だけでも9件の被害が明るみになっている。

 県警のまとめによると、4月末時点のSNS型投資詐欺は34件で被害額は3億7528万円、さらにSNS型ロマンス詐欺は58件で被害額5億3071万円に上る。特にロマンス詐欺の被害額は前年同期(2億6723万円)の倍となっている。

 SNS型の被害者は男性73人、女性19人で、年齢層は50代31人、60代18人、40代16人、30代11人、20代以下7人の順に多い。幅広い年代で被害を受けている。

 一方、特殊詐欺の発生件数は108件、被害額2億9691万円で、件数、被害額ともに前年同期を上回っている。警察官などを語る「オレオレ詐欺」のほか、ウイルスに感染したパソコンの修理名目やインターネットのサイト料金未納を名目に電子マネーなどをだまし取る「架空料金請求」が目立っている。

 被害者は男性61人、女性47人で、年齢層は65歳以降の高齢者が41人、20代以下と30代がそれぞれ19人、40代14人などとなっている。

 特にSNSを悪用した詐欺は多くのケースがLINEに誘導し、メッセージのやり取りだけで被害者をだます手口。中でもロマンス詐欺は巧みなメッセージのやり取りで被害者に好意を抱かせ、架空投資に誘い込む。ただ、ネット上の表示が「女性」だったとしても、メッセージの向こう側は男性の可能性もある。

 これらの詐欺被害は最近、年齢を問わずに発生しており、主に高齢者を対象に被害防止の啓発活動に取り組んできた警察も、現在は全世代を対象にした啓発に切り替えている。「見知らぬ人物からのメッセージは常に疑い、おいしい話はころがっていない」と警戒が必要。

掲載日: 2025年06月06日