犯人刺激せず対応を

JA伊吹支店で強盗を想定した訓練

 JAレーク伊吹の伊吹支店(米原市春照)で7日、強盗を想定した訓練が行われ、職員が犯人への対応や110番通報などを確認した。

 訓練では客を装って入店した犯人役の米原署員がカウンター越しに職員に刃物を突き付けて「金を出せ!」「動くな!ぶち殺すぞ」などと大声で威嚇。持参したバッグに現金を入れるよう脅した。

 職員は犯人を刺激しないよう抵抗せずに指示に従い、犯人がバッグを持って店外の駐車場に停めていた車で逃走を図ると、カラーボールを投げつけていた。

 支店からの110番通報で駆け付けた署員には杉江修支店長が対応。犯人の服装の特徴、凶器、奪われた金額、逃走した車の車種、ナンバーなどを伝えていた。

 訓練後、杉江支店長は「動くなと脅される中でもお客さまや職員の安全確保が必要。実際には動くと切りつけられる可能性もあり、対応の難しさを痛感したが、お客さまと職員への安全を第一にしたい」と話した。

 同署生活安全課の坂口哲平課長は「犯人を刺激しない対応ができ、110番通報、カラーボールの投てきもできていた」と評価した上で、「カラーボールは車に当てると割れない可能性もある。地面にたたきつけて塗料を飛び散らせてほしい」「犯人が通った場所の現場保存をお願いしたい」と指摘していた。

 また、日ごろの心がけとして、防犯カメラの動作や表示されている時刻を確認し、駐車場に長時間、車が停まっていれば躊躇なく声をかけるよう呼びかけていた。

 訓練はJAレーク伊吹の各支店の関係者も視察。「犯人を刺激しないでお客さんをどうやって避難させればいいのか」「犯人には何人で対応すればいいのか」「かばんを投げつけられたが、実際はいくら入れればよいのか」といった質問が出され、坂口課長は「ケース・バイ・ケース。犯人が見ていないすきにこっそり言うとか、指示するだけでもお客さんは安心する」「犯人には管理職が複数人で対応を」などとアドバイスし、金額については7月に奈良県で発生した郵便局強盗の被害額が150万円だったことを例に挙げていた。

掲載日: 2024年08月08日