極楽寺で歴史や特徴を紹介
大路町の極楽寺で20日、秋季彼岸会に合わせ、湖北地方に伝わる浜仏壇(浜壇)の歴史や特徴を紹介する講演が開かれた。長浜城歴史博物館の学芸員・坂口泰章さんが、浜仏壇を生み出した大工一門「藤岡和泉」の業績や長浜曳山まつりとの関わりを解説し、伝統技術を後世に伝える大切さを訴えた。
講演に先立ち、一般社団法人浜壇保存会の代表理事・関谷光洋さんが、仏壇に使われている白木彫刻や銅製の飾り金具を紹介。金具の実物を参拝者に回し、細部に施された職人技を間近で見てもらった。
続いて坂口さんは、浜仏壇の起源について、江戸時代初期に長浜の宮大工・藤岡家が生み出した様式が基礎になったと説明した。藤岡家は寺社建築や仏壇の製作に加え、長浜曳山まつりの曳山の建造にも携わった大工一門で、約250年にわたって活動したという。
曳山博物館には、1680年に藤岡甚兵衛重光が製作した浜仏壇が残されており、屋根の裏側の墨書から製作年代や作者が判明した。坂口さんは「藤岡家が作った仏壇が人気を博し、弟子たちも同じような仏壇を作るようになった」と、浜仏壇の様式が広まった経緯を紹介した。
浜仏壇の特徴として、木の素材を生かした白木彫刻や、木目を引き立てる漆塗り、精巧な飾り金具などを紹介。江戸時代の金具には、現在では再現できる職人がほとんどいない技法も使われているという。
また、仏壇の引き出しの裏などに、製作年代や作者を記した墨書が残されている場合があることを説明。「皆さんのご自宅に帰って、仏壇の引き出しなどをご覧いただいたら、もしかしたら墨書があるかもしれない」と呼びかけた。
坂口さんは「江戸時代の伝統技術が至る所に使われている。これを再現できる職人は今ほとんどいない」と話し、家庭に残る仏壇を大切に後世へ伝えるよう訴えた。
浜壇保存会は、長浜仏壇の歴史や技術の調査、保存、普及に取り組んでいる。次回は11月1日午後1時45分から、内保町の成満寺の報恩講の際に講演を行う。問い合わせは保存会事務局の永樂屋長浜店(☎64・0181)へ。





