長浜農高・彦根工高が国改革拠点に採択
総額約50億円投じスマート農業・AI教育強化
文部科学省が進める高校教育改革「N―EXTハイスクール構想」に基づく「産業イノベーション人材育成等に資する高等学校等教育改革促進事業」で、滋賀県内から長浜農業高校と彦根工業高校が改革先導拠点に採択された。長浜農業高は上限21億6000万円、彦根工業高は総額約28億3900万円を投じ、学科再編や校舎・実習施設の整備を進める。両校とも2029年度の新体制スタートを目指し、地域産業を支える次世代人材の育成を加速させる。
同事業は、2040年を見据えた高校教育改革を進めるため、教育内容の改革と施設整備を一体的に支援する文科省の事業。全国171校の申請から69校が採択され、採択率は40・4%だった。県内では申請4校のうち2校が採択された。
長浜農業高では、現在の農業科、食品科、園芸科を、それぞれ「スマート農業科」「食農製造科」「園芸創造科」(いずれも仮称)へ再編する。自動給餌器や養牛カメラを備えたスマート牛舎、IoTセンサーやAI分析を活用するスマート温室、6次産業化に対応した「農業ビジネス・6次産業化スタジオ」などを整備。オンライン配信設備や食品加工施設も充実させ、農と食の情報発信拠点としての機能強化を図る。
一方、彦根工業高では現在の電気、機械、建設の3学科を5学科へ再編。新たにロボット工学科を設けるほか、電気科を電気工学科と情報工学科に分け、機械科は機械工学科、建設科は建設工学科へ改編する。全学科でAIやIoT、ロボティクスの基礎学習を取り入れ、定員は現行の1学年240人を維持する。
施設整備では、長浜農業高でスマート農業関連施設や食品加工施設を、彦根工業高ではロボット工学科棟の新設や既存校舎の改修、先端工業技術設備の導入を進める。彦根工業高には、小中学生がものづくりを体験できる「ものづくりラボ」も新設し、生徒、地域企業、大学生が共同で学べる拠点として活用する。
教育面では、両校とも地域との連携を重視する。長浜農業高は農家や農業関連企業、自治体と連携した実践学習や放課後・休日の農業体験、県立農業大学校との接続プログラムを構築し、地域農業の担い手育成を図る。彦根工業高は地域企業や大学との連携を強化するとともに、県内工業科教員や中学校教員向けの先端技術研修も実施する。





