長浜市街地などで撮影、来秋以降公開
長浜曳山まつりを題材にした劇場用長編映画「長浜(仮)」の撮影が6日、クランクアップを迎えた。山組関係者やエキストラを交えて裸参り、線香番、曳山舞台での子ども歌舞伎奉納シーンなどの撮影を終え、谷口未央監督(44)は「無事に撮影が終わり、ホッとしている。これから編集、仕上げに入り、協力していただいた皆さんになるべく早く披露できるようにしたい」と話している。
谷口監督は長浜曳山まつりのユネスコ無形文化遺産登録を機に、2016年から曳山まつりの取材や記録撮影を始めた。映画は亡き父の故郷の長浜に初めて訪れた少年・伊吹と、成長と共に自身の性に異和を感じる少女・花との出会い、曳山まつりを通じた2人の成長などを描き、国際映画祭での上映を目指している。
撮影は10月下旬から本格化し、11月上旬の3連休には、曳山博物館広場に出した鳳凰山の舞台で伊吹役の荘司亜虎さん(12)=スターダストプロモーション=が衣装と化粧を施して歌舞伎披露の撮影に臨んだ。また、鳳凰山の詰め所の祝町自治会館では曳山まつりの成功を祈願する裸参り、子ども歌舞伎の仕上がり具合を確認する線香番の撮影も行われ、各山組の若衆や長浜曳山祭總當番の役員らも出演した。
このほか、市街地の飲食店や平方町の高架下、高月町西野の湖岸などでも撮影が行われた。
今後、編集作業を進め、整音や画像処理などの仕上げの後、国際映画祭へのエントリーを目指す。早くても来年秋以降の公開になるという。谷口監督は「皆さんの協力がなければ撮れない映画。エキストラとして協力してくれた方、撮影の際に食事を用意してくれた方、撮影現場での人止めなど、たくさんの方に協力していただき、感謝している。これから、しっかりと見てもらえるような映画に仕上げるために、大変な作業が待っている。曳山まつりをテーマにする責任を感じながら作業を進めたい」と話している。
なお、コルミオ・フィルムは映画制作にあたり、クラウドファンディング(CF)で撮影資金を募り、9日現在で100人から219万4000円の資金が集まっている。CFは10日まで。目標金額は370万円。返礼品は完成披露試写会招待、エンドロールへの個人名、企業名記載など。詳細はhttps://motion-gallery.net/projects/nagahama。