タイケン学園が断念、次点も辞退
長浜市が旧杉野小中学校(木之本町杉野)の跡地活用策として進めてきた通信制高校の誘致計画が白紙となった。優先交渉権者に選ばれた学校法人タイケン学園(東京都板橋区)が1年以上に及ぶ交渉の末に辞退。市が次点候補者に交渉権を引き継ごうとしたものの、既に別の場所での事業実施が決まっていたため、こちらも辞退した。
24日の市議会総務教育常任委員会で経緯が報告され、タイケン学園が正式な辞退理由を書面で示していないことや、市が計画の具体化を待つ間に交渉が長期化していたことが明らかになった。
旧杉野小中学校は児童・生徒の減少により2020年3月に閉校。市は跡地を教育関連施設として再活用するため、2024年12月に土地・建物を一括無償譲渡する事業者を公募した。応募した2事業者を審査し、翌年3月にタイケン学園を優先交渉権者に選定した。
同法人は旧校舎を広域通信制の「日本ウェルネス高校長浜キャンパス」として活用する計画を提案。午前に授業、午後に部活動を行い、1学年80人、全校240人規模の学校を構想していた。将来的には全日制への移行も視野に入れ、当初は最短で今年4月の開校を目指していた。
市は昨年4月から同法人と土地・建物の譲渡契約や施設の活用に向けた詳細交渉を開始。しかし、学園側が必要とする学生寮やグラウンドの用地確保に時間を要し、具体的な事業計画が示されない状況が続いた。
学園、電話で辞退通告
その後も計画が具体化しなかったことから、市は今年5月、6月30日を期限として詳細な計画書の提出を要請。5月末、学園側から電話で辞退の意向が伝えられた。市は正式な辞退届の提出を求めたものの、書面は提出されず、7月に優先交渉権の取消を通知した。
この日の委員会では辞退理由について質問が相次いだ。市担当者は、学生寮やグラウンドの確保に必要な費用に加え、物価や人件費の高騰が当初の事業計画に影響した可能性に言及。ただし、学園側から辞退理由を示した書面を受け取っておらず、あくまで市側の推測であるとした。
市は7月23日付で教育関連施設を提案していた次点候補者に優先交渉権を引き継ぐことを通知したが、候補者から既に別の場所での事業実施が決まったと伝えられた。実質的な交渉には至らず、8月5日に辞退届を受理。これにより事業者公募は不成立に終わった。
委員会では、交渉の長期化によって次点候補者を失った可能性についても質問が出た。市側は当初の公募時には次点候補者にも事業意欲があったとの認識を示し、1年以上の時間が経過したことが辞退の一因となった可能性に言及した。
タイケン学園を巡っては、同じグループの社会福祉法人タイケン福祉会も2023年、長浜市内での保育所整備を取りやめている。市は整備補助金約1億9000万円を予算化していたが、同法人が予定地を確保できず、計画が中止となったため、予算を減額した経緯がある。
この日の委員会でも過去の保育所計画との関連を問う質問が出たが、市側は今回の事業者選定について、別の事案として審査したと説明した。
市は今後、新たな公募の実施を検討する。今回の交渉が長期化したことを踏まえ、交渉期間や必要な手続きを明確にする考えを示している。





