防災、教育、病院、人口減、子育て問う
長浜市議会の一般質問は14日、3日間の日程を終え、5会派と個人14人が登壇した。7月の市議選で初当選した新人議員6人のうち5人が初めての一般質問にのぞみ、防災や教育、病院再編、人口減少、子育てなど幅広い課題を取り上げ、市の考えをただした。
冨士野秀峰議員は、能登半島地震など近年の災害を踏まえ、避難所用パーテーションの備蓄状況や災害時の生活用水確保など市の防災対策をただした。
市側はパーテーションの現在の備蓄量について「十分とは言えない」との認識を示し、災害時の輸送リスクも考慮しながら備蓄の配置を検討していく考えを示した。
冨士野議員は、市域が南北に長く、大規模災害で橋が損傷する可能性などを挙げ、1カ所への集中備蓄では輸送に支障が出る恐れがあるとして、分散配置の必要性を指摘した。
市側は「多発的な災害が起こる可能性もある」とし、地域全体を見ながら防災備蓄品の配置を検討する考えを示した。災害時の生活用水については、今後、井戸や防火水槽など利用可能な資源の「棚卸し」を進め、停電時の揚水手段や飲料水と生活雑用水の使い分け、登録制度のあり方などを調査研究する方針を示した。
福永晋議員は自身の教員経験を踏まえ、学校現場の教師不足や教職員の負担軽減をただした。市教委は、年度当初には必要な教員数を確保した一方、年度途中に病気や育児などで休務する教員が相次ぎ、代替教員の確保が厳しくなっている実態を説明した。
福永議員は、代替教員が見つからなければ残された教職員の負担が増え、子どもへの教育にも影響しかねないと指摘。教員確保や負担軽減策の強化を求めた。このほか、長期休業中の子どもの学びや体験機会を取り上げ、学校外で多様な経験ができる環境づくりを求めた。
藤本隆章議員は、市立病院再編で市が今年度中に経営一体化の方向性を示す方針に対し、結論を急ぐべきではないと主張。日赤による買収、指定管理、譲渡の3案だけでなく、現状維持も比較対象にすべきだと訴えた。
市側は、病院事業の経営悪化で内部留保資金が減少していることや、医師確保には診療科の重複解消が必要なことなどから、早期の判断が必要と説明。一方、現状維持を続けた場合の将来の財政負担について、「現状維持ではやっていけないのが大前提」として試算はしていないと答えた。藤本議員は「現状維持の試算もしないのでは説得力に欠ける」と追及し、職員の身分や雇用条件、市民への説明を十分に行うよう求めた。
このほか、藤本議員はびわ、浅井両図書館の空調故障を取り上げ、市側は「図書館サービスの今後の方向性を検討している段階。抜本的に改修する判断には至っていない」とした。
坂井久泰議員は人口減少対策を柱に、企業やAIデータセンターの誘致、土地利用などを取り上げた。長浜、小谷城、木之本の各インターチェンジや、新設予定の神田スマートインターチェンジ周辺を生かし、土地利用の見直しなどによって企業立地を進められないかと提案した。
市側は長浜、小谷城、神田周辺では工業用地、木之本周辺では沿道商業地としての利活用を進める方針を説明。人口減少の抑制や市の発展につながる土地利用の誘導に取り組むとした。AIデータセンターについては「膨大な電力が安定的に必要。本市にはこれに応えうる十分な電力供給の余力があるとは言い難い」とし、現状では立地が難しいとの認識を明らかにした。
坂井議員は人口減少対策を横断的に担う新たな部署の設置も提案。市側は全庁的に取り組む必要性を認めた上で、政策推進の要である「未来創造部」の調整機能を高め、必要に応じて組織改編も含め対応する考えを示した。
大菅悠美議員は、子育て相談や放課後の居場所、子どものスポーツ体験などを取り上げた。市側は、子ども家庭センターが今年度8月末までに35件の相談を受け、このうち16件を専門機関などにつないだと説明した。
大菅議員は子どもを連れて複数の窓口を回る保護者の負担を挙げ、手続きを一つの窓口で完結できないかと質問。市側は、専門的な申請は各担当部署で行う必要があるとしつつ、事前連絡や職員の同行などで負担軽減を図っているとした。
放課後児童クラブでは原則午後6時までとなっている利用時間の延長を求めた。市側は支援員の確保や勤務体制などから現時点では難しいとしながら、保護者ニーズや社会情勢を踏まえて今後検討する考えを示した。また、緊急時に子どもを預けられる親族や知人が「いずれもいない」とする保護者が、2018年度の8・8%から2023年度には10・3%に増えているとして、一時的・臨時的な預かり需要の実態把握を進めるとした。





