新ごみ処理施設 建設候補地の変更を示唆

田島市長、県の「水害リスク」示し

 彦愛犬1市4町の新しいごみ処理施設をめぐり、彦根愛知犬上広域行政組合の管理者を務める田島一成市長が12日の組合議会の全員協議会で、施設の建設候補地になっている西清崎地区から再び選定し直す可能性を示唆した。県が示した「地先の安全度マップ」によって、大雨の際に候補地近くの宇曽川左岸が決壊する可能性が出てきたためだという。選定し直した場合、予定されている2035年度の稼働開始が遅れるのは必至だ。

紆余曲折で「西清崎」に 選定し直せば稼働の遅れ必至

 建設候補地をめぐっては、1977年(昭和52年)に建てられた野瀬町の彦根市清掃センターの老朽化に伴い、2001年(平成13年)6月に当時の1市7町が代替施設の検討を開始。しかし08年5月に当時の有力地だった石寺町が地盤の問題で断念となり、彦根愛知犬上広域行政組合が設立された10年3月以降も、海瀬・三津が地元の反対などで13年3月に計画が白紙。その後、当時の管理者だった大久保貴市長(当時)が愛荘町竹原地区を候補地にする動きもあったが、選定経緯の不透明さから市議会や組合議会が認めなかった。そして19年10月に建設候補地を西清崎地区にすることが発表された。

 西清崎地区については一部の団体から地盤の軟弱性を指摘する意見があり、また前管理者の和田裕行市長(当時)が処理方式をトンネルコンポストにする方針を示し、土地の面積などから組合議会では「西清崎地区での施設建設は困難では」との意見もあった。しかし、管理者が田島市長に代わり、トンネルコンポスト方式が取りやめになったことで、西清崎地区での施設建設が既定路線との見方が強まっていた。

 そんな紆余曲折の中、県は6月に、水害リスクを示した「地先の安全度マップ」を更新して発表。最新の地形解析で宇曽川下流の右岸の地盤が高くなり、破堤想定箇所が左岸に変わったため、200年に一度の大雨によって左岸の堤防が決壊する恐れがあると指摘。西清崎地区の浸水の深さがこれまでの想定を上回るのだという。

 県の発表データに沿う形で、田島市長は盛り土などの対策を行って西清崎地区のままで進めるか、ほかの候補地を再び選定するか、「再検討」の必要性を唱え始めた。近く地区住民に説明するという。

 同組合は新設する広域ごみ処理施設の稼働時期を2035年度としているが、処理方式さえ確定していない状況で、建設候補地を再び選定し直した場合、稼働時期が遅れるのは必至。

 建設候補地の「再検討」に対し、組合議会の一部議員からは「ゼロベースに戻るのではなく、マイナスからのスタートになる」との批判の声があがっている。今月24日午後2時からの組合議会で、田島市長がどのような意見を述べるのかが注目される。

(滋賀彦根新聞)

掲載日: 2026年08月19日