長浜署、滋賀銀行虎姫支店の5人に感謝状
詐欺被害を未然に防止したとして長浜署は1日、滋賀銀行虎姫支店(伊藤剛史支店長、田町)の行員5人に署長感謝状を贈った。
同署によると4月10日、支店に90代の男性が来店し、窓口で「海外の証券会社の口座に振り込みたい」と30万円の振り込みを依頼。行員が振込先の口座をたずねたところ、スマートフォンの画面に表示されたLINEのメッセージを見せられ、その振り込み先が個人名義となっていたことから詐欺を直感。他の行員にも声をかけて対応し、「30分以内に振り込まないと」と焦る男性を応接室に招き入れて話を聞いている間に長浜署に通報した。
男性は通報で駆け付けた署員に説得されたことで振り込みを断念した。直前には別の金融機関で現金50万円を詐欺犯に指定された口座に振り込んでだまし取られており、同支店の機転で被害の拡大を防げた。
同支店で行われた感謝状贈呈式では、米森昌一署長が支店長代理の大橋典子さん(51)、行員の佐藤根静香さん(38)、岸本亜紀さん(40)、田中久惠さん(55)、清水充美さん(50)の5人を称え「見事なチームワークと連携プレーで詐欺を防止した。県内で多くの詐欺が発生し、我々も1件でも被害を減らそうとしている。今回、その詐欺を何とか止めていただいた。今後もおかしい振り込みに気付いた際には声を掛けていただきたい」と話した。
大橋さんは「日ごろの研修や近隣で発生している詐欺の事例を行員で共有しており、詐欺が多く、巧みになっていることを感じる。お客様に叱られても大切な資金を守るために全員で取り組む必要があることをあらためて学んだ。これからもお客様の大事な資産を守れるような滋賀銀行でありたい」と話した。
なお、今年県内で発生した特殊詐欺の認知件数は3月31日時点で67件、被害額1億7000万円、SNS型詐欺(ロマンス、投資)は64件、被害額4億8000万円に上っている。
長浜署管内でもマネーロンダリング捜査協力の名目で無職男性(78)が2500万円をだまし取られたほか、会社員の男性(53)がマッチングアプリで知り合った女から仮想通貨への投資を持ち掛けられ1100万円の被害を受けるなど、巧妙・多彩な手口で老若男女を問わず詐欺被害が出ている。