奥伊吹観光が運営 29日リニューアル
木之本町古橋の宿泊施設「己高庵」が「三献の宿〜木之本〜」として29日、リニューアルオープンした。市の指定管理施設として地元第3セクターが担ってきた運営は、湖北地域で観光事業を手掛ける奥伊吹観光に引き継がれ、民間主導の宿として再出発した。
宿泊施設は、ふるさと夢公社きのもとが市の委託を受けて運営を続けてきたが、2025年11月末で営業を終了し、奥伊吹観光がリニューアル工事を進めていた。
新施設は、戦国武将・石田三成が豊臣秀吉に茶を三度に分けて差し出したとされる逸話「三献の茶」をコンセプトに据える。到着時に抹茶でもてなすほか、茶の精神を空間、料理、滞在体験として表現する。
施設は全面改修され、客室は11室。「極」(4室)、「結」(3室)、「素」(4室)の3タイプを設けた。このうち「極」は天然木ひば風呂と信楽焼の露天風呂を備える。客室の広さは58平方㍍。館内にはバー「Ippuku」も設け、地酒やワインを提供する。料理は近江の食材を中心に、季節ごとの献立で提供する。
運営する奥伊吹観光は、米原市甲津原を拠点にスキー場「グランスノー奥伊吹」やグランピング施設などを展開。木之本町大音の賤ケ岳リフトの運営も担うなど、湖北地域でリゾート事業を広げている。冬季中心だった事業から通年型への転換を進める中で、新たな宿泊事業で地域の再生と湖北の魅力発信を図る。
オープニングセレモニーで、同社の草野丈太社長は「地域に眠る観光資源に光を当て、磨き上げて発信していく。三献の精神を生かし、訪れた人に寄り添い、最善のもてなしを尽くす宿にしたい」と述べた。また「これまで施設を築き、守ってきた地域の皆さまの思い、絆をしっかり受け継ぎ、新たな価値を加え未来につなぎたい」と話した。
浅見宣義市長は「自然と歴史に抱かれ、環境は抜群。長浜を代表する宿になってほしい」としたうえで、「民間資本の協力で北部振興を担う代表的な例として期待します」と話した。
同施設が立地する古橋地区周辺は、紅葉の名所・鶏足寺や賤ケ岳など、歴史と自然の観光資源が集積する地域。NHK大河ドラマに関連した観光需要の高まりもあり、周遊観光の拠点としての役割も見込まれている。







