長浜市議会修正案可決、計画見直しへ
長浜市議会は6月30日の本会議で、(仮称)小谷城戦国体験ミュージアム関連費を削除した一般会計補正予算案の修正案を賛成多数で可決した。採決結果は賛成12、反対7。市が進めてきた現行計画は見直しを迫られることになった。
修正案は恵風会、共産党市議団、つなぐ長浜の3会派の議員が提出。ミュージアム整備関連事業費12億3500万円の債務負担行為設定を削除する内容で、6月26日の予算常任委員会でも賛成多数で可決されていた。
討論では、中川勇議員が反対の立場から登壇。「地域住民や関係団体と長年にわたり積み重ねてきた協議と合意形成は看過できない」と述べ、国の地域未来交付金の内示を得ていることや県の北部振興プロジェクトとの連動性を挙げ、「国や県との信頼を損ね、今後の市事業全体の支援にも計り知れない影響を与える」と訴えた。
一方、藤井登議員は賛成討論で「博物館としての機能や観光振興拠点としての役割、交通アクセスや周辺の滞在環境などに多くの疑問や懸念が示されてきた」と指摘。「市民全体が納得できる事業かを改めて立ち止まって検証し、慎重な判断を求めるもの」と修正案への理解を求めた。
採決では、浅見宣義市長に近い「新しい風」の7人が修正案に反対した。浅見市長は閉会あいさつで「私はこれをもって整備を諦める考えはない」と述べ、計画継続への意欲を表明。「議会で示された意見を受け止め、より良い事業とするため検討を重ねる」と語った。今後、小谷城跡の保存活用や施設周辺の利便性向上、市内の歴史文化資産との連携、財政などを改めて検証し、「見直しと工夫」で事業の実現を図る決意を示した。
長浜市が整備を計画する(仮称)小谷城戦国体験ミュージアムは、小谷城跡や姉川古戦場、賤ケ岳古戦場など北国脇往還沿いに点在する戦国時代の歴史資産を一体的に発信する拠点施設。市は教育普及と文化財の保存・活用を推進する「社会教育施設」と位置付けている。
整備地は湖北町伊部の戦国ガイドステーション・浅井三代の里敷地内。小谷城跡登山道の起点にあたり、小谷城跡への「玄関口」となる。施設は鉄骨造平屋建てで、延べ床面積は770平方㍍(既存建物改修含む)。映像展示室、常設展示室、実物展示室、エントランスを整備。浅井三代やお市の方、三姉妹の歴史を映像や模型、出土遺物、体験展示など多様な手法で紹介し、小谷城跡や周辺史跡への周遊につなげる。
エントランスには広域マップや観光情報を備え、市内外の史跡や博物館、観光スポットを結ぶハブ機能を持たせる。市は「戦国ベルト地帯構想」の中核施設として位置付け、県の北部振興プロジェクトとの連携による誘客効果を期待している。
総事業費は約13億6000万円。このうち、予算案に盛り込んでいた建設関係約9億2600万円、展示関係約3億0900万円の財源は国の地域未来交付金50%、合併推進債45%、一般財源5%としていた。
市は年間来館者3万人を想定。整備に合わせて小谷城戦国歴史資料館と文化財保護センターを廃止・解体する方針だった。
修正案の賛否は次のとおり。
【賛成】岩川信子、大橋延行、北川陽大、鬼頭明男、杉本英一、千田貞之、多賀修平、髙山亨、橋本典子、藤井登、鋒山紀子、村山さおり。
【反対】押谷正春、加納義之、竹本直隆、田中真浩、中川勇、中川亮、矢守昭男。
※伊藤喜久雄議長は採決に加わらない。





