城下町遺産、みんなで選んで!

25候補から10件、投票受付中

 長浜市街地に残る歴史的風景などを「長浜城下町遺産」として選定している長浜城下町まちづくり勉強会(渡辺浩之会長)は今年度、新たに選定する遺産10件を選ぶため、市民に投票への協力を呼びかけている。
 1573年、後に天下人となる羽柴秀吉が開いた長浜の城下町には「発展の痕跡」が数多く残されており、城下町遺産の選定は、市民自らが地域の歴史を見つめ直し、後世に伝承するために2021年度から始まった。これまでに31カ所を選定しており、4年目となる今年度は25候補の中から10件を市民投票などで選ぶ。
 今年度の遺産候補にノミネートしているのは、1939年の渇水時に琵琶湖中から発見された長浜城の井戸跡とされる「太閤井戸跡」(豊公園)、秀吉が建造した長浜城の大手門を移築したと伝えられる「大通寺台所門」(元浜町)、幕末から「八幡の地蔵さん」として住民に親しまれてきた「田の中延命地蔵尊」(高田町)、嘉永年間(1848~54年)に創業した両替商「銭作」を前身とした書店で、勝海舟の「心如金石」の扁額がかかる「文泉堂」(大宮町)など。
 このほか、1933年(昭和8)に300人以上の町民の寄付で建築された「武徳殿」(朝日町)、1964年(昭和39)に地元の資産家が「長浜にも東京タワーのような名物を作りたい」という意向で建設し長浜の高度成長期を代表する建造物として貴重な「長浜タワー」(元浜町)なども候補に挙がっている。
 秀吉遺産、町屋遺産、景観遺産、産業・近代化遺産の4つのジャンルに分類している。
 各候補を紹介するパネル展をさざなみタウン(14日まで)と曳山博物館(10日まで)で同時開催中。市民投票は「長浜城下町遺産」のホームページ(https://nagahama.net/jyoukamachi/)で16日まで受け付ける。18日の選定委員会で投票結果を参考に今年度の城下町遺産を決定する。

掲載日: 2024年11月06日