地域が結束、8年ぶり青物神輿

速水・伊豆神社の「八朔大祭」で奉納

 湖北町速水の伊豆神社の例祭「八朔(はっさく)大祭」が1日行われ、野菜や乾物、草木など80種類で作った「青物神輿(あおものみこし)」が8年ぶりに奉納された。

 青物神輿・幡母衣(ばんばら)保存会のメンバーらが中心となって8月17日から神輿の各パーツを手作りし、1日朝に約3時間かけて組み立てて神輿を完成させた。

 神輿の屋根で羽根を広げる鳳凰は、顔をカボチャ、くちばしをオクラ、トサカをケイトウの花、羽根をハランの大きな葉、首を稲穂で作り上げた。神輿の各面にはもち米と黒ゴマで作った鳥居を据え、その背面に「一寸法師」「花咲かじいさん」「浦島太郎」「うさぎとかめ」の一場面を表現した。

 伊豆神社での神事と小学生の巫女による「浦安の舞」の奉納の後、神輿を約500㍍北にあるお旅所に遷座する「宮遷し」があり、地元の若い衆が神輿を担いで町内を巡行。神社やお旅所には8年ぶりに実現した青物神輿を見ようと、多くの地域住民が見物に訪れ写真を撮るなどして神輿の出来栄えを確かめていた。

 青物神輿は約5年に1度、奉納していたが、コロナ禍の影響で2016年以来の奉納となった。保存会会長の今井正彦さん(59)は「猛暑で青物神輿の材料がなかなか集まらず、台風の接近で実施も心配したが、これだけのことをできて良かった。初めて神輿を担いだ若者もいて、楽しんでくれた。近年は人と人とのつながりが希薄になってきているが、字(あざ)の中でつながりができた」と喜んだ。

 なお、伊豆神社の八朔大祭では青物神輿と並んで、幡母衣武者行列も名物となっている。鎧をまとった若者が背に24本に割った竹を付け、48個の提灯を吊るして町内を練り歩き、神社に参拝する行事。こちらは2008年に実施されたのが最後で、その再開も期待されている。

 

 

掲載日: 2024年09月02日