田村山 希少種守るリレー
田村山に生息する希少種「ヤマトサンショウウオ」を守ろうと、田村山生き物ネットワーク(会長=齊藤修・長浜バイオ大客員教授)は17日、幼生の観察と救出作戦を行い、小学生や大学生、地域住民ら約50人が参加した。枯れかけた側溝から計382匹の幼生を救出し、新たな保護池へ移した。
ヤマトサンショウウオは体長7〜15㌢の両生類で、近畿東部から中部地方南部に分布。水田や池、水たまりで繁殖するが、水環境の悪化などで減少し、環境省レッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類、県レッドリストでは希少種に指定されている。
田村山での生息が確認されたのは2005年3月。齊藤教授が山麓の側溝で卵塊を発見したことがきっかけだった。地域住民らと結成した同ネットワークは2013年、山麓に保護池を整備し、産卵環境を守ってきた。
しかし近年は、サンショウウオが山から保護池へ移動する際、道路や側溝が障害となって産卵数が減少。一昨年にはクラウドファンディングで約165万円を集め、山際に新たな保護池を整備した。
旧保護池や側溝に産んだ卵を移し、新しい池への産卵定着を目指す取り組みを続けている。この日は参加者が長浜バイオ大に集合後、保護池周辺へ移動し、干上がる寸前の側溝水路に取り残された幼生を網ですくい上げた。
側溝は数日で枯れる状態だったといい、幼生が残れば全滅する恐れがあった。参加者は側溝をのぞき込んで網で慎重に幼生をすくい上げ、旧保護池にいた7匹と合わせ計382匹を救出。湖北野鳥センター自然クラブの有志も参加し、子どもたちは歓声を上げながら幼生を探していた。
ヤマトサンショウウオには、生まれた場所へ戻って産卵する習性があるという。齊藤教授は「移した個体が新しい池で成長し大人になって、ここへ戻ってくれば、新しい保護池での繁殖が定着していく。一気には難しいが、毎年続ければ5年ほどで安定してくる」と説明。「来年あたりから戻ってくる個体も出てくるかもしれない」と話していた。








