米原市の福祉施設で利用者ら
米原市顔戸のデイサービスセンター「やすらぎハウス」(社会福祉法人大樹会運営)で3日、味噌づくりがあり、施設を利用する高齢者が思い出話に花を咲かせながら大豆を潰したりする作業を楽しんだ。
過去の記憶を思い出して語り合うことで認知症の進行を遅らせる「回想法」にちなんで、施設の冨田千代美さんが企画。近隣住民有志6人が協力し、昔ながらの製法で味噌づくりに取り組んだ。
炊いた大豆を袋に入れて手で潰し、豆が均一に潰れると、麹と塩を合わせてだんご状に丸め、空気を抜くために叩きつけるようにして形を整えていた。作業を率先して手伝ったり、「大豆1升に塩は4合やで」とアドバイスしたり、女性利用者が中心となって味噌づくりが進んだ。
「子どもの頃は味噌つきがあると親族が寄ってみんなで作りました。おくどさんで大豆を炊いて、臼(うす)と杵(きね)で潰した。大変な作業だったけどみんなが集まって楽しかった」と振り返るのは施設を利用する女性(87)。「きょうは昔のことを思い出して懐かしい気分です」と顔をほころばせていた。
冨田さんは「地域の皆さんに参加、協力していただき、昔を思い出す機会となって良かった。1年後に味噌が完成すれば、施設でふるまいたい」と話していた。