コロナ禍で売上減、魚屋や仕出し屋に影響
彦根市安食中町の彦根総合地方卸売市場で水産物を扱っていた彦根魚市合同株式会社が8月末で廃業していたことがわかった。同社から水産物などを仕入れていた魚屋や仕出し屋、飲食店などでは、長浜や八日市の卸売市場に購入先を変更するなどの影響が出ている。
彦根総合地方卸売市場は3万9045平方㍍の敷地に整備されている。小売店などとの取引の場となる卸売場は青果部が1525平方㍍、水産物部が641平方㍍。冷蔵庫は青果部が200平方㍍、水産物部が130平方㍍。加工施設は青果部が110平方㍍、水産物部が31平方㍍。市場全体で300社以上が取引の登録をしているという。
水産物部を運営してきた彦根魚市合同は1990年(平成2年)に設立された。名古屋や京都などの中央卸売市場から生鮮水産物や加工品を買い付け、市内を中心に県東北部の魚屋や仕出し屋、飲食店、宿泊施設などに販売していた。
しかし関係者によると、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、市内外の仕出し屋や魚屋が相次いで廃業するなど取引先が減少。売り上げも低迷していたという。
同社は8月20日に事務所入り口に「告示書」を掲示。「20日をもって事業を停止することになりました。関係者の皆様にはご迷惑をおかけすることになりますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします」と事業停止を知らせた。市場関係者の一人は「事前に聞いていなかったので、突然の事業停止に驚いている」と話している。同社から水産物を仕入れていた飲食店の代表は「その日の朝にほしい魚を車で持って来てもらい、昼食時に提供していたので多少の影響はある。仕方なく長浜の業者に仕入れ先を変更した」と述べていた。
同社の廃業によって、卸売場の水産物部のエリアや冷蔵庫、加工施設は空きスペースが生じている。また彦根魚市合同の事務所近くで2016年4月から営業している「市場の食堂」も同日付で閉店した。
彦根総合地方卸売市場は今後、空きスペースの利用希望者や「市場の食堂」の経営者を募集する。
※【彦根総合地方卸売市場】彦根市内には彦根食品卸売市場協同組合が運営する彦根食品地方卸売市場と、彦根市農業協同組合が運営する地方卸売市場彦根市農協青果センターの民営2市場があったが、統合の動きが本格化し、1986年(昭和61年)に第3セクター方式による市場整備方針が決定。彦根市が51%、青果・水産の卸売業者が34%、農業協同組合などが15%を出資して88年に彦根総合地方卸売市場株式会社が設立された。その後、総工費約28億円で、現在の地に卸売場、冷蔵庫、加工施設、倉庫、事務所、集団売場、駐車場などが整備され、92年(平成4年)3月25日に開場した。
(滋賀彦根新聞)






