史料編、彦根牛や旧豊郷小など解説
豊郷町教委は同町の初の町史となる本「『豊郷町の歴史』史料編」を刊行。近江牛のルーツとされる彦根牛の加工品が江戸時代に豊郷で作られていた歴史や、旧豊郷小学校が建設された経緯などがわかる史料をまとめている。今月25日、出版記念の講演会を開き、27日から本の一般販売を開始する。
昭和31年(1956年)9月に犬上郡豊郷村と愛知郡日枝村が合併して豊郷村となり、同46年2月の町制施行を経て豊郷町が誕生した。旧豊郷村の村史は同38年に刊行されたが、旧日枝村についてはまとめた記録がなく、合併後の町の歴史を解説した本もなかった。
町教委は2021年度に大学教授たちによる町史編集委員会を立ち上げ、関連する古代から現代までの史料492点について研究し、「古代・中世」「近世」「近代・現代」「豊郷の商家と商業」「郷土の記録と伝承」の5章で本にまとめた。表紙には昭和10年(1935年)10月10日に上空から豊郷村を撮影した写真を掲載。当時の豊郷村役場や豊郷病院、豊郷駅が写っている。
史料のうち、彦根市立図書館に所蔵されている「筋方御役所四壁帳出」には、享保3年(1803年)7月に彦根藩の中筋奉行らが、豊郷の旧高野瀬村で寒製の干し牛肉を安定した品質で製造するよう指導している内容が記されている。江戸時代に彦根藩下で作られた彦根牛のみそ漬けや干し牛肉が諸大名に贈られたことは知られているが、干し牛肉が豊郷で作られていたことがこの史料で明らかになった。
また、四十九院出身の古川鉄治郎の寄付によって昭和12年(1937年)5月30日に建設された旧豊郷小学校については、同11年1月31日のヴォーリズ建築事務所が作成した小学校の仕様書や、鉄治郎が小学校を建設するための意図について当時の校長が同12年2月11日にまとめた「建築由来書」などを載せている。
町教委社会教育課の学芸員の加藤直子さんは「町の歴史をまとめた本はなく、待望の町史が刊行できることが喜び。町民にとっても暮らしているまちの歴史を確認できる本」と話している。本はA4判、400ページ。1冊税込み1500円。700部発行。27日から豊栄のさとや社会教育課、豊郷小学校旧校舎群の町史編さん室で販売。郵送も可。
今回の本の史料編は「第四巻」で、町教委は来年3月に第一巻の「古代・中世・近世編」、2028年3月に第二巻の「近代・現代・商人編」、29年3月に第三巻の「民俗・ビジュアル編」を刊行する予定。
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豊郷町教委は25日午後1時半から豊郷小学校旧校舎群の講堂で、豊郷町史編集委員で滋賀大学名誉教授の宇佐美英機さんの講演会と、ほかの執筆担当者を加えたトークセッションを行う。会場で本の先行販売もある。問い合わせは社会教育課℡0749(35)8010。
(滋賀彦根新聞)






