市立長浜病院循環器内科、アジア・太平洋で
アメリカの国際ニュース週刊誌「ニューズウィーク」が発表するアジア・太平洋地域の優れた病院ランキングで、市立長浜病院の循環器内科が2年連続でランクインした。同病院は医師や看護師などスタッフの人数が限られる中で、大学病院や都市部の大病院に比べ遜色のない最先端の循環器診療を届けている。
同誌は毎年、世界の病院ランキングを発表。心臓外科や心臓病学、脳神経外科など9つの分野で、医療専門家の推薦、患者満足度、病院機能評価などの項目で審査し、優良な病院を選出している。
市立長浜病院循環器内科は2024年度ランキング(心臓病学部門)で91位、国内で21位、国内自治体病院で4位だった。また、25年度は97位、国内で20位、自治体病院で2位だった。大学病院や国立病院、循環器センターなど規模も専門性も地方病院を大きく上回る病院が並ぶ中、2年連続でランクインする快挙となった。
市立長浜病院循環器内科では狭心症、心筋梗塞、心不全などの治療にあたり、高齢化率が高い湖北地域には欠かせない存在。ここ数年のカテーテル手術の実績は県内トップクラスで、近畿圏でも上位に入っている。同病院では従来のカテーテル室に加え、昨年、最新鋭の撮影装置などを備えた心臓専用カテーテル室を新しく整備し、診療環境を充実させている。医師は7人体制で、長浜市出身の國友健生医師や米原市出身の児玉健二医師らも活躍している。
2年連続となるランクインに循環器内科責任部長の高島弘行副院長は「周囲は何十人もの医師スタッフを擁する世界各国の有名大学病院、循環器センターばかり。わずか数人のスタッフしかいない湖北の一自治体病院の存在は際立っている」とした上で、「スタッフが少なくてもそれを言い訳にせず、この湖北でも都会の大病院と温度差の無い循環器診療を届けようと必死に足掻いている。こんな状況をニューズウィークから評価してもらえたのは望外の喜び」とコメント。病院再編や赤字問題などを念頭に「険しい道のりは続くが、さらにギアを上げて立ち向かう」と決意を新たにしている。